俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「――詠菜、結婚式を挙げよう」
腕の中の私を覗き込むようにして、彼が言った。
「え……?」
唐突な台詞に戸惑う。
結婚式?
「詠菜が世界で一番大切な妻だって皆にきちんと知らせたい。なにより、詠菜のウエディングドレス姿が見たいんだ。きちんと神様の前で詠菜への変わらぬ愛を誓いたい」
真摯な眼差しに射抜かれて呼吸が止まった気がした。
「入籍はしたけれど、きちんとお祝いもできていなかっただろう? 俺に詠菜へ愛を誓う機会をくれないか?」
「……本気、なの……?」
突然の申し出に頭がうまく働かない。
結婚式なんて、思ってもみなかった。
ただ大好きな人の妻になれただけで十分すぎるくらいに幸せだと思っていた。
でもウエディングドレスや結婚式に憧れがなかったわけじゃない。
「もちろん。皆に祝福されて、詠菜との思い出をたくさん作りたい」
ふわりと相好を崩す。
その言葉は以前私が口にしたもの。
『で、でも、私は好きな人と結婚したいんです。時間をかけてお互いを理解して、想いを育んで皆に祝福される結婚式がしたい』
「覚えていてくれたの? 私が……」
「好きな人と結婚して、祝福される結婚式を、って話か?」
なんでもないように口にする。
本当にこの人は、どれだけ私を大切にしてくれるのだろう。
私自身でさえ忘れていた、そんな些細な出来事をずっと覚えていてくれただなんて。
胸が、心が、震えて涙が滲む。
腕の中の私を覗き込むようにして、彼が言った。
「え……?」
唐突な台詞に戸惑う。
結婚式?
「詠菜が世界で一番大切な妻だって皆にきちんと知らせたい。なにより、詠菜のウエディングドレス姿が見たいんだ。きちんと神様の前で詠菜への変わらぬ愛を誓いたい」
真摯な眼差しに射抜かれて呼吸が止まった気がした。
「入籍はしたけれど、きちんとお祝いもできていなかっただろう? 俺に詠菜へ愛を誓う機会をくれないか?」
「……本気、なの……?」
突然の申し出に頭がうまく働かない。
結婚式なんて、思ってもみなかった。
ただ大好きな人の妻になれただけで十分すぎるくらいに幸せだと思っていた。
でもウエディングドレスや結婚式に憧れがなかったわけじゃない。
「もちろん。皆に祝福されて、詠菜との思い出をたくさん作りたい」
ふわりと相好を崩す。
その言葉は以前私が口にしたもの。
『で、でも、私は好きな人と結婚したいんです。時間をかけてお互いを理解して、想いを育んで皆に祝福される結婚式がしたい』
「覚えていてくれたの? 私が……」
「好きな人と結婚して、祝福される結婚式を、って話か?」
なんでもないように口にする。
本当にこの人は、どれだけ私を大切にしてくれるのだろう。
私自身でさえ忘れていた、そんな些細な出来事をずっと覚えていてくれただなんて。
胸が、心が、震えて涙が滲む。