俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「うちはあの写真展に協賛してるの。役員クラスの人が行くのは不自然でもなんでもないわよ」
「なるほど……そうそう、雛乃の写真、すごく素敵だったよ。始めた頃はカメラの使い方もよくわからないって言ってたのが嘘みたい」
「観に行ってくれたの? ありがとう! 詠菜もカメラ始めてみたら?」
「私にできるかな?」
「できるわよ。話を戻すけど、副社長は私的な連絡先を一切交換しないって有名なの。なのになんで初対面の詠菜には渡したのかしらね?」
なぜか頬を緩めて問いかけてくる親友。
「修羅場の口止めと傘の返却のためでしょ」
「傘なんて名刺を渡して、会社に連絡してもらえばいいだけじゃない。わざわざプライベートの番号を伝える必要ある?」
「縁談を公にしたくなかったとか?」
あっさり返答すると、はあと深い溜め息を吐かれた。
「あのね、副社長は色めいた噂に事欠かないんだから、断るつもりの縁談にそれほど神経質にならないわよ。有名人や名だたる美女とのデート目撃情報だって多いのよ」
名だたる美女、色めいた噂って……胡散臭すぎる。
そんな事情を聞くとますます遠い世界に住む人だと感じる。
「それに副社長に詠菜の名前はすでにバレているんでしょ」
記帳したんだし、と親友が付け加える。
「でも勤務先まではわからないはずよ」
「さあ、どうかしら。そこは腕の見せ所じゃないの?」
「だれの、なんの腕よ?」
「なるほど……そうそう、雛乃の写真、すごく素敵だったよ。始めた頃はカメラの使い方もよくわからないって言ってたのが嘘みたい」
「観に行ってくれたの? ありがとう! 詠菜もカメラ始めてみたら?」
「私にできるかな?」
「できるわよ。話を戻すけど、副社長は私的な連絡先を一切交換しないって有名なの。なのになんで初対面の詠菜には渡したのかしらね?」
なぜか頬を緩めて問いかけてくる親友。
「修羅場の口止めと傘の返却のためでしょ」
「傘なんて名刺を渡して、会社に連絡してもらえばいいだけじゃない。わざわざプライベートの番号を伝える必要ある?」
「縁談を公にしたくなかったとか?」
あっさり返答すると、はあと深い溜め息を吐かれた。
「あのね、副社長は色めいた噂に事欠かないんだから、断るつもりの縁談にそれほど神経質にならないわよ。有名人や名だたる美女とのデート目撃情報だって多いのよ」
名だたる美女、色めいた噂って……胡散臭すぎる。
そんな事情を聞くとますます遠い世界に住む人だと感じる。
「それに副社長に詠菜の名前はすでにバレているんでしょ」
記帳したんだし、と親友が付け加える。
「でも勤務先まではわからないはずよ」
「さあ、どうかしら。そこは腕の見せ所じゃないの?」
「だれの、なんの腕よ?」