俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「詠菜? なにしてるの?」
教会の出口近くで立ちすくむ私を訝しんだのか、ゼミ仲間だった友香に声をかけられた。
「え、ああ、那奈が綺麗だったから見惚れちゃって……」
「わかる、幸せそうだったよねえ。ドレスもすごくよく似合っていたし」
「う、うん」
必死に取り繕う。
新婦の那奈が綺麗だったのは事実だけど、頭の中で副社長との結婚生活について考えていたとは言えない。
久しぶりに再会した友人と近況を報告しあいながら、披露宴会場へ向かう。
結婚式は旧友たちと再会できる場でもあるのでとても嬉しい。
一気に時間が学生時代に逆戻りをしたような錯覚にさえ陥る。
「ねえ詠菜、余計なお世話かもしれないけど気をつけなよ」
突然、旧友が真剣な声を出す。
「え?」
「今日、越智も来てるの。那奈、詠菜の元彼が越智だって知らなかったみたいで」
越智……?
聞きなれた名字にほんの少し身体が強張る。
親友の忠告が現実になってしまった。
越智は学生時代に交際していた相手だ。
友人だった頃はそれなりに分かり合えていたはずなのに、恋人同士になるとなぜか少しずつふたりの歯車が嚙み合わなくなった。
自己主張の強い越智は、私が自分の意見を述べるのを嫌がった。
段々とふたりの関係がぎくしゃくし出して、すれ違い、終わりを迎えてしまった。
友香曰く、越智が亭主関白なだけ、だそうだ。
ちなみに友香は越智と同じ会社に就職している。
教会の出口近くで立ちすくむ私を訝しんだのか、ゼミ仲間だった友香に声をかけられた。
「え、ああ、那奈が綺麗だったから見惚れちゃって……」
「わかる、幸せそうだったよねえ。ドレスもすごくよく似合っていたし」
「う、うん」
必死に取り繕う。
新婦の那奈が綺麗だったのは事実だけど、頭の中で副社長との結婚生活について考えていたとは言えない。
久しぶりに再会した友人と近況を報告しあいながら、披露宴会場へ向かう。
結婚式は旧友たちと再会できる場でもあるのでとても嬉しい。
一気に時間が学生時代に逆戻りをしたような錯覚にさえ陥る。
「ねえ詠菜、余計なお世話かもしれないけど気をつけなよ」
突然、旧友が真剣な声を出す。
「え?」
「今日、越智も来てるの。那奈、詠菜の元彼が越智だって知らなかったみたいで」
越智……?
聞きなれた名字にほんの少し身体が強張る。
親友の忠告が現実になってしまった。
越智は学生時代に交際していた相手だ。
友人だった頃はそれなりに分かり合えていたはずなのに、恋人同士になるとなぜか少しずつふたりの歯車が嚙み合わなくなった。
自己主張の強い越智は、私が自分の意見を述べるのを嫌がった。
段々とふたりの関係がぎくしゃくし出して、すれ違い、終わりを迎えてしまった。
友香曰く、越智が亭主関白なだけ、だそうだ。
ちなみに友香は越智と同じ会社に就職している。