俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「以前結婚式の日程と場所を聞いただろ?」
思い当たる出来事に目を見開く。
唇を塞がれているので反論できないのがもどかしい。
「アイツに未練があるのか?」
先ほどまでとは打って変わった、冷淡な目つきで問いかけられて首を横に振る。
やっと指を外してくれた。
「元恋人はお前に未練があるみたいだが?」
「まさか。ただ久しぶりに会ったからなだけですよ」
即座に否定すると、胡乱な目を向けられる。
いい加減に腰にまわした手を離してほしい。
先ほどからすれ違う招待客がチラチラとこちらに視線を向けてくる。
「……アイツも気の毒にな。俺としては好都合だが」
フッと眦を下げて言う副社長はなぜかとても機嫌がよさそうだ。
「なんの話ですか?」
「いや、気にしなくていい。それより俺以外の男に簡単に言い寄られるな」
「簡単って……私は言い寄られたりしてません」
「ふたりで、って誘われていたのに?」
なぜかワントーン低い声で問いかけられる。
「駆けつけてよかった。忘れるなよ? お前はもう俺のものなんだ」
もう片方の腕がするりと私の腰に回る。
まるで彼の腕の中に閉じ込められているような体勢に驚く。
ほんの少し頭を下げた副社長が耳元で囁く。
「元恋人だろうがなんだろうが、ほかの男に譲るつもりはない」
迷いなく言い切られて、心臓が早鐘を刻む。
頬が熱い。
吐息が耳を掠めて呼吸が止まりそうになる。
なにを言い出すの?
さっきのは演技でしょう?
強引な台詞と近い距離。
少し前の孝也と同じような状況なのに、なんで不快に思わないのだろう。
どうしてこんなにも心が落ち着かないのだろう。
思い当たる出来事に目を見開く。
唇を塞がれているので反論できないのがもどかしい。
「アイツに未練があるのか?」
先ほどまでとは打って変わった、冷淡な目つきで問いかけられて首を横に振る。
やっと指を外してくれた。
「元恋人はお前に未練があるみたいだが?」
「まさか。ただ久しぶりに会ったからなだけですよ」
即座に否定すると、胡乱な目を向けられる。
いい加減に腰にまわした手を離してほしい。
先ほどからすれ違う招待客がチラチラとこちらに視線を向けてくる。
「……アイツも気の毒にな。俺としては好都合だが」
フッと眦を下げて言う副社長はなぜかとても機嫌がよさそうだ。
「なんの話ですか?」
「いや、気にしなくていい。それより俺以外の男に簡単に言い寄られるな」
「簡単って……私は言い寄られたりしてません」
「ふたりで、って誘われていたのに?」
なぜかワントーン低い声で問いかけられる。
「駆けつけてよかった。忘れるなよ? お前はもう俺のものなんだ」
もう片方の腕がするりと私の腰に回る。
まるで彼の腕の中に閉じ込められているような体勢に驚く。
ほんの少し頭を下げた副社長が耳元で囁く。
「元恋人だろうがなんだろうが、ほかの男に譲るつもりはない」
迷いなく言い切られて、心臓が早鐘を刻む。
頬が熱い。
吐息が耳を掠めて呼吸が止まりそうになる。
なにを言い出すの?
さっきのは演技でしょう?
強引な台詞と近い距離。
少し前の孝也と同じような状況なのに、なんで不快に思わないのだろう。
どうしてこんなにも心が落ち着かないのだろう。