俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
5.「よろしく、奥さん」
この会社に就職して以来、こんなに憂鬱な月曜日はなかった。
七月まであと数日だが、まだまだ梅雨明けは遠く、どんよりした鼠色の空は私の心中を写し取っているようだ。
できたら仕事を休んで今すぐどこかに逃げたい。
昨夜遅く、親友には一連の出来事をなんとか報告した。
ともに憤慨してくれるのかと思いきや、なぜかとても楽しそうだった。
『おめでとう!』
『全然おめでたくないわよ』
『なんでよ、なにが不満なの? 世の女性たちの憧れの副社長よ?』
『あのね、結婚よ? そんな軽々しいものじゃないでしょ』
『結婚は勢い、とも言うじゃない。あれこれ考えてたって未来はわからないわよ』
どこまでも夢見がちな親友に、頭を抱えたのは言うまでもない。
いつ副社長に呼び出されるのかとビクビクしていたのだが、朝からなんの指示もなかった。
雛乃は終日外出だったので真理子ちゃんと食堂で昼食をとった。
午後の業務もスムーズに過ぎていき、週末の出来事は冗談だったのかと段々気持ちが上向いてきた。
あれはあの場限りの話だったのかも。
いくらなんでも婚約なんて普通に考えたらありえないし、ただ親切に助けてくれただけだったのかも。
それなのに私は文句ばかり言ってお礼ひとつ伝えていないと申し訳なさが込み上げる。
七月まであと数日だが、まだまだ梅雨明けは遠く、どんよりした鼠色の空は私の心中を写し取っているようだ。
できたら仕事を休んで今すぐどこかに逃げたい。
昨夜遅く、親友には一連の出来事をなんとか報告した。
ともに憤慨してくれるのかと思いきや、なぜかとても楽しそうだった。
『おめでとう!』
『全然おめでたくないわよ』
『なんでよ、なにが不満なの? 世の女性たちの憧れの副社長よ?』
『あのね、結婚よ? そんな軽々しいものじゃないでしょ』
『結婚は勢い、とも言うじゃない。あれこれ考えてたって未来はわからないわよ』
どこまでも夢見がちな親友に、頭を抱えたのは言うまでもない。
いつ副社長に呼び出されるのかとビクビクしていたのだが、朝からなんの指示もなかった。
雛乃は終日外出だったので真理子ちゃんと食堂で昼食をとった。
午後の業務もスムーズに過ぎていき、週末の出来事は冗談だったのかと段々気持ちが上向いてきた。
あれはあの場限りの話だったのかも。
いくらなんでも婚約なんて普通に考えたらありえないし、ただ親切に助けてくれただけだったのかも。
それなのに私は文句ばかり言ってお礼ひとつ伝えていないと申し訳なさが込み上げる。