俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
笹野さんが扉を軽くノックすると、副社長自らが扉を開けて迎え入れてくれた。
「詠菜とふたりにしてくれ」
当然のように呼び捨てにされ、小さく鼓動が跳ねた。
「道木さんが嫌がる真似はなさらないでくださいよ、いくら婚約者とはいえ」
「……お前、一体俺をどんな男だと思ってるんだ」
私が言葉を挟む隙もないまま、ふたりは気安い会話を繰り広げる。
そのまま私は副社長に強引に腕をひかれ、ひとり掛けのソファに座らされる。
彼はソファの両側に手をついてその引き締まった身体で私を囲い込む。
逃がさないと言わんばかりの体勢に驚きを隠せない。
近すぎる距離に、心が落ち着かない。
「さて、婚約者さん。入籍はいつにする?」
「えっ?」
「お前の心配事を減らすために言っておくが、俺の親族は大喜びしていたぞ」
「ちょ、ちょっと待ってください。本気なんですか?」
「当たり前だろ。むしろ今さらその質問をされるなんて心外だな」
「でもこんなのおかしいです。孝也や友香にはあれは演技だったと説明します。助けていただいたのは感謝していますが、本当に婚約なんて、しかも入籍だなんて……」
「する必要がないと本当に思うか?」
言葉の後を引き取った副社長の淡々とした声に、身体が強張る。
綺麗な目からは感情が窺えない。
「詠菜とふたりにしてくれ」
当然のように呼び捨てにされ、小さく鼓動が跳ねた。
「道木さんが嫌がる真似はなさらないでくださいよ、いくら婚約者とはいえ」
「……お前、一体俺をどんな男だと思ってるんだ」
私が言葉を挟む隙もないまま、ふたりは気安い会話を繰り広げる。
そのまま私は副社長に強引に腕をひかれ、ひとり掛けのソファに座らされる。
彼はソファの両側に手をついてその引き締まった身体で私を囲い込む。
逃がさないと言わんばかりの体勢に驚きを隠せない。
近すぎる距離に、心が落ち着かない。
「さて、婚約者さん。入籍はいつにする?」
「えっ?」
「お前の心配事を減らすために言っておくが、俺の親族は大喜びしていたぞ」
「ちょ、ちょっと待ってください。本気なんですか?」
「当たり前だろ。むしろ今さらその質問をされるなんて心外だな」
「でもこんなのおかしいです。孝也や友香にはあれは演技だったと説明します。助けていただいたのは感謝していますが、本当に婚約なんて、しかも入籍だなんて……」
「する必要がないと本当に思うか?」
言葉の後を引き取った副社長の淡々とした声に、身体が強張る。
綺麗な目からは感情が窺えない。