一匹狼と野良猫。


それでも構わなかった。



たまに鉛筆をくれる子や、一緒に使っていいよ。と

言ってくれる子がいた。



学校では自由に意味もなく怒られることも

嫌味を言われることも

暴力を振るわれることもなかったから。



毎日、何もする事もなく完全下校の時間

ギリギリまで学校で過ごした。



下校時間のチャイムが本当に苦痛だった。

チャイムが鳴ると見回りに来る教師達。



「........若園さん?

もう下校時間でしょ。
お家の人が心配するから帰ろうね?」

「........................はい」



心配などしているハズがない。

だって、お荷物なのだから。



登校する足は羽のように軽く、

下校する足は鉛のように重い。

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