一匹狼と野良猫。
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昔の事がついさっきの事の様に蘇る。
「はい、おまたせっ
ご飯ができたよ。」
まだ湯気が出ている食べ物を意気揚々と
目の前に運んでくる男は、
このマンションの一角で1人で暮らしている。
中学の頃からだ。
「ほら、口開けて?」
満面の笑みで食べやすい様に箸で摘んだモノを
こちらに向ける。
しかし、口を開ける事はなかった。
「お腹空いてるでしょ?
ほら、
............早く開けろよ。」
目付きが変わり、口調が荒くなる。
重い口を開け、ゆっくりモノを口に含む。
「ふふっ、いい子だね。
愛しているよ」
頬を殴られた衝撃で口内が切れ、
食べ物がしみる。
無理やり生かされている。