一匹狼と野良猫。


「私達がどう思ってるかとか
どうしたら迷惑かけないかとか
もうそんな事何も考えなくていいの。

あなたはあなたよ。

これからはしたい事、欲しい物を
なんでも言って欲しい。

私はゆいちゃんがその苦しみから解放されて欲しい。
気を使わないで、なんでも言って欲しいのよ」



彼女の言葉に、頬を何かが伝う。

自然と身体が軽くなった気がする。



目からは大量の雫が溢れて止まる様子はない。

悲しいわけではない、

けれど止まらない。



涙は溢れるのに、心はあたたかい。

不思議な感覚。



玲花さんは一緒に涙を流して、

ぎゅうっと抱き締めてくれた。


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