一匹狼と野良猫。
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ガチャ、カタン。
男がキッチンで何やら作業をしている。
今日もアレを飲ませようとしているのだ。
睡眠薬。
夜中、抜け出さぬように。
「おまたせ、お薬の時間だよ。
早く体調良くなろうね」
風邪だと嘘をつき、毎日飲まされるこの
睡眠薬を溶かした水は飲み干さなければ
また殴られる。
prrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
男のケータイが部屋に鳴り響いた。
「.....チッ、誰だよこんな時に。
ちょっと待っててね?」
男は水を置いて部屋の外へと出て行った。
チャンスだ。
そう思い、キッチンに置いたままの男の水とすり替える。
そして更に睡眠薬を足した。
夜中、男が目覚めないように。