一匹狼と野良猫。


どれだけ走っただろうか。



やっと明かりに辿り着いたそこはネオン街。

いろんな所で男女が身体を寄せ合いながら歩いている。

複数の男に囲まれている女や、

女の後を必死に追いかける男。




暗い道よりマシだ。



建物の隅っこに腰掛ける。

降り続ける雨。


........寒い。



あ、裸足だ。



男の家を飛び出した時、何も履いて来なかったのを

自分の足を見て確認した。



走っている途中で切ったのか血が滲んでいる。

寒さでちぎれそうな足先。



アイツに殴られるより

ずっとマシな痛みだった。



......これからどうなるんだろう。



飛び出してきたのはいいが、行く宛など

あるはずもない。



もう、いっそ

このままここで死んでもいいかも。

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