一匹狼と野良猫。
恐る恐る顔を上げると、冷たい表情。
暗闇の中でもそれが分かった。
「ふーん?」
何か物言いたげな様で、ご機嫌が斜めの様で、
少し戸惑う。
「別に30cm差でもハグしやすいし。」
「ですよね」
今も腕を回されている力が少し強くなる。
彼の温もりに眠気が襲う。
「もう寝な」
「........はい」
ゆっくり身体を倒し、彼に凭れかかる。
すぅっと目を閉じ、遠くで彼の声が聞こえた。
「.........牛乳飲も」