一匹狼と野良猫。
「こ、こう、がさん.....?」
滉牙さんの顔を見上げると、彼は目を丸くして
タイガさんを蹴っていた動きを止め、
大きな両手で頬を包まれた。
「ほんとに何もされてない?
どこも触られてない?」
心配そうに覗き込む彼の顔が近くて、懸命に頷く。
「そっか、良かった。」
「過保護すぎんだってお前!!」
「黙れ」
両手で頬を包まれたまま、タイガさんの方を向き
少し距離だけが離れる。
そしてまたこちらを向いた。