一匹狼と野良猫。


「........あ、の」

「ん?」

「き、昨日....鍵......かけたのに

あの......」

「あぁ、なんで入れたかって?

あれね、寝ようと思って部屋の前行ったら
中で悲鳴が聞こえたからさ。


ドアごとぶっ壊した。」



彼はそう言って笑い、コーヒーを飲む。



「ご、ごめんなさ.......

弁償して......えと」

「いいっていいって。

結構年季入ってたみたいでさ、
思ったよりも簡単に外れたんだよね。

君は悪くないから。」



滉牙さんはまた頭に手を置いてきて

顔を覗き込んできた。



「......すみません......」

「はい、謝るのも禁止。」

「..........。」



何も言えなくなった私にご満悦の様で

彼に頭をわしゃわしゃされる。

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