生徒会の姫と秘密
それに目を奪われていたのかも、しれない。
何故って、次の瞬間、赤いものが飛び散ったからだ。
「え......何......珀?」
私を抱きしめていた、珀が力なく地面に横たわった時。
私は、今、どんな状態なのかが分かった。
海都以外の全員が、血を流して倒れていたのだ。
「芽依!大丈夫!?」
海都の心配に答えることなんて出来なかった。
「珀...?起きて、珀。尊、真斗、飛鳥、翠...死んじゃ嫌だよ」
「芽依、落ち着いて。芽依が落ち着くまで、僕が芽依を守るから」
海都だって、取り乱しておかしくない状況なのに、落ち着いて私を守るという。
私はダメな奴だ。
命の危険に晒されている状態の彼らを、助ける方法はただ一つ。
力を使うことだ。