生徒会の姫と秘密

「準備はいい?」

「うん。いいよ」

柚ちゃんは、笑っていた。

まるで、花が咲くように笑っていた。

「送り給え、誘い給え、癒し給え...彼の者を天界へと送れ。彼の者を導き、癒しを与えよ。我が名は、芽依。土御門の者なり。急急如律令」



柚ちゃんは、暖かい光に包まれる。

「『幸』『せ』『に』『な』『っ』『て』」

「バイバイ、芽依ちゃん。またね」

暖かくて、心休まる光に包まれた柚ちゃんはだんだんと、光の粒になり空へと登っていった。


柚ちゃんへのおまじないが、届きますように。


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