生徒会の姫と秘密
あたりは、何も無くなり、元に戻った。
「芽依?」
そう呼ぶ、彼の声が聞こえたような気がした。
「芽依!」
倒れかけた、私を支えた彼は泣きそうで、苦しそうな表情だった。
「珀...好きだよ...今まで、ありがとう」
「おい、芽依!今、そんなこと言うなよ」
私の体は限界で、呪詛が消えたからと言っても、治癒の術を使いすぎて死ぬこともある。
私は、死ぬのかもしれない。
なんてことを、呑気に考えてしまった。
「みんなにも、ありがとうって言ってね...海都には、ありがとうとごめんねって大好きだよって...」
「芽依、死んだら許さないからな」
「そんなこと、言っても、珀は許してくれるでしょ...私、知ってるもん。珀は優しいって」
「芽依!ダメだ...」
そんな声も聞こえなくなってきて、私は気を失った。