生徒会の姫と秘密
ー芽依sideー

長い、長い夢を見ていた気がする。

目を開けると、最初に見えたのは真っ白な天井。

一瞬、ここは天国かと錯覚してしまった。


でも、すぐにここが病院だと分かった。

なぜなら、私が入院服を着ていたからなのだ。

ベッドから降り、窓のそばに行く。


空は、デタラメに広く、絵の具で子供が塗ったように青かった。


鳥が‪さえずるのが聞こえて、思わず窓を開けた。

秋晴れの今日は、程よく涼しくていい気持ち。


ーガタン

後ろから、物音が聞こえて振り返った。

そこには、驚いた顔をした珀がいたかと思えば、駆け寄ってきた。

「珀!おはよ」

ニコッと笑いかけたというのに、珀には聞こえていなかったようだ。
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