無題

あの人は、健次さんという名前。


健次さんは、私のことを知ってるし、私も健次さんのことを知っている。



初めて健次さんに逢うので、私は服を一ヶ月かけて真剣に選んだ。


「可愛い」って、言ってもらいたくて。


第一印象は大切でしょ?


可愛くないって思われたくない。


可愛くない私を、健次さんに逢わせるなんてできない。


だって、可愛くなくて嫌いな自分を、大好きな人に見せたくない。

嫌いな人が自分じゃなかったとして…、
自分が嫌いな人を、大好きな人に会わせたくないでしょ?


だから、私は貴方に逢うために色々頑張った。


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