堕天の翼
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
どれくらい…、待っているのか…?
悠が、瑞希がバイトをしている本屋から、本を購入したのは、お昼前だった…
時計は、既に…4時を回っていた…。。
グラスの中のアイスコーヒーも、何杯目…なのか?…溶けた氷で、アイスコーヒーも薄くなっていた…
悠の目の前に、ラベンダー色のスカートが見えた…
その視線を、そのまま上にあげる…
「私、待ってて…なんて、何も言ってない…」
その声に…、我ながら…どうかしている…と、思った。
1人の女性を、ここまで待ったことなど…なかった…
もしかしたら、初めて…のことだっただろう…
彼女は、きっと、来てくれる…と、何処かで信じて疑わなかった自分がいたことに…
瑞希が来てくれたことに…、悠は、穏やかに微笑み…、目の前のソファに座るよう…促す…
「話しって…」
悠から、視線を逸らし…。。目を合わせようとはしない…
それは、仕方の無いことだ…。。予想の範囲内だ…と、悠は自分に言い聞かせる…
「あの日、見たよね? 軽蔑…してるのかな…?…俺のこと…。って、…されたんだよな…」
何を…、話せばいいのか…、こんなことを話したいのではない…
しかし、これでは…、瑞希のことを、責めてるみたいだ…、彼女を責めたいワケじゃない…
ただ、自分の気持ちを話したいだけ…なのに…
瑞希は、悠の方に視線を向け…
「…別に。成宮くんがお姉さんのことが本気で好きなのなら…、私は…
瑠樺ちゃん達から、聞いたの。血の繋がりはないって…。。それなら…別に…」
《そうだ…。
彼が、本当に、お姉さんのことを好きなのなら…私には、何も関係ない…
ただの…、私の不毛な片想い…なんだから…》
その、瑞希の言葉に…、悠は、ようやく…瑞希の方をまっすぐに見つめ…
「…好きなんかじゃない…っ! そんなんじゃ…」
少しずつ…、青白くなってくる顔に…、彼の指先が震えてるのに…瑞希は気がついた…
「……」
《こんなに…、動揺している彼を見るのは…
初めてだ…》
尋常ではない…悠の様子に、瑞希まで動揺が隠せない…
「…それじゃ…? どうして? お姉さんと…?」
悠の頬に、冷や汗が浮かんできそうだった…
その表情に…、【聞いちゃ、まずかったのかな?】と…、思ったが…
自分の口から発せられた言葉を、誤魔化しようがなかった。。
「俺は、あの人のことは、好きでもなんでもないょ…、それはホント」
と、感情を_隠すかのように話す悠に…
「……っ」
《…何か…、ある…の…?
あの、お姉さんとの間に…っ
聞いちゃ、いけないことなのかな?》
「俺が好きなのは…、君なんだ…。。それだけは、信じて…
あの人に、恋愛感情なんて持ったことは無い」
いつにも増して…、真摯な眼差し…。。
こんな風に、ハッキリとした口ぶりで言うのも…、もしかしたら初めてなのかもしれない…
悠は、姉の奈都子のことを、【あの人】と…【姉】だと口にするのさぇ…、避けているかのように思えた。。
それよりも…、悠の発した言葉に…、瑞希の瞳が揺らめいた…
それまで、止まったままだった…時計の秒針が動き出したかのように…鼓動が動き出したかのような…気がした…
「…成宮くん…っ」
《…私のことが…、…好き…っ?》
瑞希は、頭の中で、悠が先程言った言葉を反芻させる…
少しずつ…、現実味を帯びてきた…
「…信じ…られない…?」
そぅ、まるで…幼子のように…すがるような瞳…
瑞希は、首を左右に振り…。。そして、悠の方をまっすぐに見据え…
「私も…、あなたに会いたかった…。
私も…、あなたのことが、好きなの…
もしかしたら…、お姉さんのことが好きなのだと思ってて…、忘れようとしてた。」
そぅ…、やっと言えた言葉に…、涙がこみあげ…、溢れ出した…
「お姉さんとのことを知って…
もぅ、止めた方がいいかな?…って…思った…」
瑞希の言葉に、悠は、ようやく…安心したように微笑んだ…
「俺、もぅ家には帰らない…。出てきたんだ…
もう二度と…、あの人とは関わりたくないから…」
悠の意を決したような瞳に、瑞希は心臓がドキン…とした…
「……っ」
《家を…、出てきた…っ?》
どれくらい…、待っているのか…?
悠が、瑞希がバイトをしている本屋から、本を購入したのは、お昼前だった…
時計は、既に…4時を回っていた…。。
グラスの中のアイスコーヒーも、何杯目…なのか?…溶けた氷で、アイスコーヒーも薄くなっていた…
悠の目の前に、ラベンダー色のスカートが見えた…
その視線を、そのまま上にあげる…
「私、待ってて…なんて、何も言ってない…」
その声に…、我ながら…どうかしている…と、思った。
1人の女性を、ここまで待ったことなど…なかった…
もしかしたら、初めて…のことだっただろう…
彼女は、きっと、来てくれる…と、何処かで信じて疑わなかった自分がいたことに…
瑞希が来てくれたことに…、悠は、穏やかに微笑み…、目の前のソファに座るよう…促す…
「話しって…」
悠から、視線を逸らし…。。目を合わせようとはしない…
それは、仕方の無いことだ…。。予想の範囲内だ…と、悠は自分に言い聞かせる…
「あの日、見たよね? 軽蔑…してるのかな…?…俺のこと…。って、…されたんだよな…」
何を…、話せばいいのか…、こんなことを話したいのではない…
しかし、これでは…、瑞希のことを、責めてるみたいだ…、彼女を責めたいワケじゃない…
ただ、自分の気持ちを話したいだけ…なのに…
瑞希は、悠の方に視線を向け…
「…別に。成宮くんがお姉さんのことが本気で好きなのなら…、私は…
瑠樺ちゃん達から、聞いたの。血の繋がりはないって…。。それなら…別に…」
《そうだ…。
彼が、本当に、お姉さんのことを好きなのなら…私には、何も関係ない…
ただの…、私の不毛な片想い…なんだから…》
その、瑞希の言葉に…、悠は、ようやく…瑞希の方をまっすぐに見つめ…
「…好きなんかじゃない…っ! そんなんじゃ…」
少しずつ…、青白くなってくる顔に…、彼の指先が震えてるのに…瑞希は気がついた…
「……」
《こんなに…、動揺している彼を見るのは…
初めてだ…》
尋常ではない…悠の様子に、瑞希まで動揺が隠せない…
「…それじゃ…? どうして? お姉さんと…?」
悠の頬に、冷や汗が浮かんできそうだった…
その表情に…、【聞いちゃ、まずかったのかな?】と…、思ったが…
自分の口から発せられた言葉を、誤魔化しようがなかった。。
「俺は、あの人のことは、好きでもなんでもないょ…、それはホント」
と、感情を_隠すかのように話す悠に…
「……っ」
《…何か…、ある…の…?
あの、お姉さんとの間に…っ
聞いちゃ、いけないことなのかな?》
「俺が好きなのは…、君なんだ…。。それだけは、信じて…
あの人に、恋愛感情なんて持ったことは無い」
いつにも増して…、真摯な眼差し…。。
こんな風に、ハッキリとした口ぶりで言うのも…、もしかしたら初めてなのかもしれない…
悠は、姉の奈都子のことを、【あの人】と…【姉】だと口にするのさぇ…、避けているかのように思えた。。
それよりも…、悠の発した言葉に…、瑞希の瞳が揺らめいた…
それまで、止まったままだった…時計の秒針が動き出したかのように…鼓動が動き出したかのような…気がした…
「…成宮くん…っ」
《…私のことが…、…好き…っ?》
瑞希は、頭の中で、悠が先程言った言葉を反芻させる…
少しずつ…、現実味を帯びてきた…
「…信じ…られない…?」
そぅ、まるで…幼子のように…すがるような瞳…
瑞希は、首を左右に振り…。。そして、悠の方をまっすぐに見据え…
「私も…、あなたに会いたかった…。
私も…、あなたのことが、好きなの…
もしかしたら…、お姉さんのことが好きなのだと思ってて…、忘れようとしてた。」
そぅ…、やっと言えた言葉に…、涙がこみあげ…、溢れ出した…
「お姉さんとのことを知って…
もぅ、止めた方がいいかな?…って…思った…」
瑞希の言葉に、悠は、ようやく…安心したように微笑んだ…
「俺、もぅ家には帰らない…。出てきたんだ…
もう二度と…、あの人とは関わりたくないから…」
悠の意を決したような瞳に、瑞希は心臓がドキン…とした…
「……っ」
《家を…、出てきた…っ?》