堕天の翼
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附属の高校から、瑞希の通う大学に進学した瑠樺には、友達や知り合いが多かった…
そんな瑠樺が、何故入学式で隣同士になっただけの瑞希と友達になろうとしたのか…、瑞希自身にも分からなかった…
「だって、瑞希ちゃん、綺麗だし、可愛いんだもん! 一目惚れ~!」
と、その入学式あとに言い出した瑠樺の言葉に、瑞希は照れ笑いを浮かべ…
「そんなことないよ…」
と、言い張ったが…瑠樺は…
「瑞希ちゃん、可愛いよ。あー、この子と友達になりたいな…って、思ったの!」
そぅ、天真爛漫とも取れる発言に、何も言い返せなかった…
が、友達が多い…瑠樺の傍にいるだけで、自然…と人の輪に入ることは出来た…
それが、大学での友達作り…に繋がっているかは、いささか疑問だったが…【今野 瑠樺の友達】というポジションは、確保できたのだった…
午後の講義終了後、瑠樺との約束通り…悠のバイト先まで向かうことになった…
瑞希は、内心…【今日、初めて会ったのに…バイト先まで現れたれ迷惑なんじゃないの?】と、余計な思いに駆られたが…隣にいる瑠樺が上機嫌だったから、なかなか言い出せずにいた…
成宮 悠のバイト先は、閑静な街並みの中にある…近くにテナントなどが立ち並ぶ…喫茶店だった…
瑞希や瑠樺の姿を目にするなり…、悠は微かにその瞳が揺らめいた…
その悠の、先程とは違う風貌に、瑞希は一瞬動揺が隠せなかった…
「何しに来てるの?」
と、席に着いた2人に、ミネラルウォーターの入ったグラスを運びに来た悠…。。
テーブルの上に、そっと…手馴れた様子で、そのグラスを置きながら言った…
「えへへ、成宮くんが真面目に働いているかな?…と。
まぁー、相変わらず…成宮くん目当てな女が多いわっ!」
と、自分の席の周りを一瞥しながら瑠樺は、そう言った…
ウェイターの格好をしている悠目当ての女性客も多かったからだ…
「…な、ワケないでしょ?」
平然を装い…、そう言い…悠は、2人にメニューを渡す…
「ね! 思ったんだけど…2人、付き合えばっ!」
瑠樺の、予想外…の言葉に…瑞希は、動揺を隠せなかった…
「っな、何? 何言うの? 瑠樺ちゃん!」
その、瑞希の動揺ぶりに…今度は、瑠樺が大きな瞳をパチクリさせ…
「え? だって…お似合いだと思うよ~! 瑞希ちゃん、彼氏いないでしょ?」
「いない…いないけど…。でも…今日! 会ったばかりなのよ?」
「え~! なんで、ダメなの?
成宮くんは、どう?」
「……っ」
瑠樺は、一瞬にして機嫌悪くなったかのように…不満を口にする…
瑞希は、瑠樺と同じように…悠の方を見上げる…
彼は、なんの反応も示さない…
その表情は、固いままだった…
その彼の表情に、瑞希は、【彼は、自分には関心はない】ということを悟った…
悠は、深いため息を1つつき…、瑠樺に…
「くだらないこと、言ってるなよ…」
と、悪態をついた…
が、そう言っても…瑞希の耳には、瑠樺には優しく接している…ように聴こえた…
「じゃ、モデルは? 瑞希ちゃん、ピッタリだと思うけど…」
そぅ、瑠樺は、心なしか…肩を落とし、寂しげに言った
「…“モデル”?」
瑠樺の言葉に、聞き返した瑞希…瑠樺は、頷き返し…
「成宮くん、ずーっと絵のモデルになってくれそうな人、探してるじゃない?」
「……っ」
《モデルって、絵のモデルか…》
瑠樺の言葉に、悠は瑠樺を軽く睨みつける…
が、その手は、瑠樺の頭をポンポンと軽くこついた…
その口ぶりとは裏腹に…、その手や、その表情は優しく笑いかけていた…
「ベラベラ、喋るなよ…」
そぅ…、悠は、すぐさま踵を返し…他のお客さんの元へと行ってしまった…
附属の高校から、瑞希の通う大学に進学した瑠樺には、友達や知り合いが多かった…
そんな瑠樺が、何故入学式で隣同士になっただけの瑞希と友達になろうとしたのか…、瑞希自身にも分からなかった…
「だって、瑞希ちゃん、綺麗だし、可愛いんだもん! 一目惚れ~!」
と、その入学式あとに言い出した瑠樺の言葉に、瑞希は照れ笑いを浮かべ…
「そんなことないよ…」
と、言い張ったが…瑠樺は…
「瑞希ちゃん、可愛いよ。あー、この子と友達になりたいな…って、思ったの!」
そぅ、天真爛漫とも取れる発言に、何も言い返せなかった…
が、友達が多い…瑠樺の傍にいるだけで、自然…と人の輪に入ることは出来た…
それが、大学での友達作り…に繋がっているかは、いささか疑問だったが…【今野 瑠樺の友達】というポジションは、確保できたのだった…
午後の講義終了後、瑠樺との約束通り…悠のバイト先まで向かうことになった…
瑞希は、内心…【今日、初めて会ったのに…バイト先まで現れたれ迷惑なんじゃないの?】と、余計な思いに駆られたが…隣にいる瑠樺が上機嫌だったから、なかなか言い出せずにいた…
成宮 悠のバイト先は、閑静な街並みの中にある…近くにテナントなどが立ち並ぶ…喫茶店だった…
瑞希や瑠樺の姿を目にするなり…、悠は微かにその瞳が揺らめいた…
その悠の、先程とは違う風貌に、瑞希は一瞬動揺が隠せなかった…
「何しに来てるの?」
と、席に着いた2人に、ミネラルウォーターの入ったグラスを運びに来た悠…。。
テーブルの上に、そっと…手馴れた様子で、そのグラスを置きながら言った…
「えへへ、成宮くんが真面目に働いているかな?…と。
まぁー、相変わらず…成宮くん目当てな女が多いわっ!」
と、自分の席の周りを一瞥しながら瑠樺は、そう言った…
ウェイターの格好をしている悠目当ての女性客も多かったからだ…
「…な、ワケないでしょ?」
平然を装い…、そう言い…悠は、2人にメニューを渡す…
「ね! 思ったんだけど…2人、付き合えばっ!」
瑠樺の、予想外…の言葉に…瑞希は、動揺を隠せなかった…
「っな、何? 何言うの? 瑠樺ちゃん!」
その、瑞希の動揺ぶりに…今度は、瑠樺が大きな瞳をパチクリさせ…
「え? だって…お似合いだと思うよ~! 瑞希ちゃん、彼氏いないでしょ?」
「いない…いないけど…。でも…今日! 会ったばかりなのよ?」
「え~! なんで、ダメなの?
成宮くんは、どう?」
「……っ」
瑠樺は、一瞬にして機嫌悪くなったかのように…不満を口にする…
瑞希は、瑠樺と同じように…悠の方を見上げる…
彼は、なんの反応も示さない…
その表情は、固いままだった…
その彼の表情に、瑞希は、【彼は、自分には関心はない】ということを悟った…
悠は、深いため息を1つつき…、瑠樺に…
「くだらないこと、言ってるなよ…」
と、悪態をついた…
が、そう言っても…瑞希の耳には、瑠樺には優しく接している…ように聴こえた…
「じゃ、モデルは? 瑞希ちゃん、ピッタリだと思うけど…」
そぅ、瑠樺は、心なしか…肩を落とし、寂しげに言った
「…“モデル”?」
瑠樺の言葉に、聞き返した瑞希…瑠樺は、頷き返し…
「成宮くん、ずーっと絵のモデルになってくれそうな人、探してるじゃない?」
「……っ」
《モデルって、絵のモデルか…》
瑠樺の言葉に、悠は瑠樺を軽く睨みつける…
が、その手は、瑠樺の頭をポンポンと軽くこついた…
その口ぶりとは裏腹に…、その手や、その表情は優しく笑いかけていた…
「ベラベラ、喋るなよ…」
そぅ…、悠は、すぐさま踵を返し…他のお客さんの元へと行ってしまった…