堕天の翼
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「あら、今野さんと…えっと、この方は、初めてお会いするわね…、こんにちは。」
その日瑞希は、瑠樺と悠の実家に来ていた…
閑静な住宅街の中にある…屋敷という表現がぴったり…だ…
事前に、瑠樺が連絡をしておいたからか…、悠の母親・美津子は笑顔で出迎えてくれた…。
【はじめまして】と、挨拶をした瑞希にも…、瑠樺と同じように笑顔を見せる…
2人は、20畳近い広さのあるダイニングルームに通され…、通いのお手伝いさんが容れた紅茶を貰った…
「悠ね、奈都子さんと一緒だと思うんだけど…。あの子たち、仲良いから…」
と、事の詳細を全く知らないのか…微笑みながら、そぅ言った…
「あの、奈都子さん、どこに居ますか?
あの人、悠くんに…」
悠の居場所を知りたい…瑞希は、矢継ぎ早に話だそうとした…
が、すぐ隣にいた瑠樺が、瑞希の手を握り…首を左右に振った…
「奈都子さん? 今朝から…主人に呼ばれて。何かあったのかしら? 悠と住む…って、マンションを借りたんだけど…
婚約者のお医者さまから…、【婚約破棄したい】って、連絡も来て…
何か、あったのかしら…
あ! このことは…っ、私が話したこと、内緒にしておいてね」
と、ため息混じりに、そう言った美津子…
自分が口を滑らせた…奈都子の【婚約破棄】については、内緒にして欲しい…と、瑞希と瑠樺に懇願してきた…
「その、マンションって何処ですか?」
「さぁ、私は何も…」
そぅ…、笑顔で答えた美津子に。。瑞希たちは、心なしか諦めかけた…
悠の母親は、悠が姉の奈都子に何をされていたか? いま、どんな状況か…全く理解してもいない…知ろうともしない…としか、思えなかった。。
奈都子の行動に、異論を唱えることも…、今までしてこなかったんだろう…
「おばさん、悠くんの部屋に行ってもいいですか? 貸していた本があって…。」
と、笑顔で言った瑠樺に…
「えぇ、構わないと思うけど…」
2人は、美津子について…悠の部屋に向かおうとした…2階へと続く階段を上がっていく…
「じゃ、私は、下にいますから」
と、美津子は瑞希と瑠樺を悠の部屋の前まで送り届け…、階下へ降りていく
「瑞希ちゃん、奈都子さんの部屋…、成宮くんの部屋の向かい…
何度か、来たことあるし。多分、合ってる」
その、奈都子の部屋の前…。。瑞希は、意を決して、奈都子の部屋のドアを開ける…
まさか、自分がこんな泥棒のようなことをするとは…思ってもみなかった…
慌ただしく、少し…散らかった部屋…
衣類は、散乱し…。。カップの中には飲みかけた飲み物まである…
「うーん、凄いな…。片付けられない人?」
と、少し…呆れながら呟いた瑠樺…
「瑠樺ちゃん、証拠になりそうなの…探そう!」
意気込んだ2人…
机の上には、買い物のカード払いの請求の明細やその他の明細がそのままに置かれている…。。その書類に混じって…
「あった! マンションの契約書っ! 瑞希ちゃん、コレじゃない?
て、保証人が…さっき言ってた婚約者の人のかな?」
瑠樺の声に、瑞希は、瑠樺が手にしている書類を覗き込む…。。マンションの契約書には、男性の名前が記載されてあった。
契約した日は、3ヶ月前…のGW直前となっていた…
瑞希が、2人の現場を目の当たりにした直後だった…
2人は、その書類をスマホで撮り…。。その保証人の連絡先とマンションの住所をスマホに登録した…
「他に何かあれば…」
と、辺りを見渡した瑞希…。。無造作に置かれた鞄の中を探る…。。薬の説明書が書かれた書類と袋に入っている薬を見つけた…
「…マイスリーって…、睡眠薬?」
その、薬の説明書きに…悠がもし仮に、この薬を知らずに飲まされていたら…と、言う予感が浮かんだ…
瑞希は、その薬の錠剤を奪い、薬の説明書きをスマホで撮り終え…、他にも幾つか証拠になりそうなモノを撮ることにした…
その後、隠蔽隠し…に、悠の部屋を覗いた2人…
「ハハ。こっちは、綺麗好き…、さすがだな…」
と、悠の部屋を見渡しながら言った瑠樺…
几帳面な性格の悠が現れている…、本の陳列の仕方…1つを取っても…性格が滲み出ている…
「瑞希ちゃん、見て!」
瑠樺が悠の机の上にあったスケッチブックをめくり…、見つけた1枚…
電車の中…、ドアにもたれ掛かる瑞希…、綺麗に色付けされている…
「これって、相当…想われてるってことだよね?」
その、描かれている自分に指先を這わせる…。。日付は、初めて…会話を交わした日…、痴漢から助けられた日だった…
瑞希の胸元が熱くなり…、上手く呼吸が出来ない…。。いつの間にか、涙がこぼれ落ちていた…
「瑞希ちゃん…、成宮くん、取り返そう…! あんな人に負けてちゃダメ…! そうだよね?」
瑠樺の言葉に、瑞希は何度も頷き返した…
「あら、今野さんと…えっと、この方は、初めてお会いするわね…、こんにちは。」
その日瑞希は、瑠樺と悠の実家に来ていた…
閑静な住宅街の中にある…屋敷という表現がぴったり…だ…
事前に、瑠樺が連絡をしておいたからか…、悠の母親・美津子は笑顔で出迎えてくれた…。
【はじめまして】と、挨拶をした瑞希にも…、瑠樺と同じように笑顔を見せる…
2人は、20畳近い広さのあるダイニングルームに通され…、通いのお手伝いさんが容れた紅茶を貰った…
「悠ね、奈都子さんと一緒だと思うんだけど…。あの子たち、仲良いから…」
と、事の詳細を全く知らないのか…微笑みながら、そぅ言った…
「あの、奈都子さん、どこに居ますか?
あの人、悠くんに…」
悠の居場所を知りたい…瑞希は、矢継ぎ早に話だそうとした…
が、すぐ隣にいた瑠樺が、瑞希の手を握り…首を左右に振った…
「奈都子さん? 今朝から…主人に呼ばれて。何かあったのかしら? 悠と住む…って、マンションを借りたんだけど…
婚約者のお医者さまから…、【婚約破棄したい】って、連絡も来て…
何か、あったのかしら…
あ! このことは…っ、私が話したこと、内緒にしておいてね」
と、ため息混じりに、そう言った美津子…
自分が口を滑らせた…奈都子の【婚約破棄】については、内緒にして欲しい…と、瑞希と瑠樺に懇願してきた…
「その、マンションって何処ですか?」
「さぁ、私は何も…」
そぅ…、笑顔で答えた美津子に。。瑞希たちは、心なしか諦めかけた…
悠の母親は、悠が姉の奈都子に何をされていたか? いま、どんな状況か…全く理解してもいない…知ろうともしない…としか、思えなかった。。
奈都子の行動に、異論を唱えることも…、今までしてこなかったんだろう…
「おばさん、悠くんの部屋に行ってもいいですか? 貸していた本があって…。」
と、笑顔で言った瑠樺に…
「えぇ、構わないと思うけど…」
2人は、美津子について…悠の部屋に向かおうとした…2階へと続く階段を上がっていく…
「じゃ、私は、下にいますから」
と、美津子は瑞希と瑠樺を悠の部屋の前まで送り届け…、階下へ降りていく
「瑞希ちゃん、奈都子さんの部屋…、成宮くんの部屋の向かい…
何度か、来たことあるし。多分、合ってる」
その、奈都子の部屋の前…。。瑞希は、意を決して、奈都子の部屋のドアを開ける…
まさか、自分がこんな泥棒のようなことをするとは…思ってもみなかった…
慌ただしく、少し…散らかった部屋…
衣類は、散乱し…。。カップの中には飲みかけた飲み物まである…
「うーん、凄いな…。片付けられない人?」
と、少し…呆れながら呟いた瑠樺…
「瑠樺ちゃん、証拠になりそうなの…探そう!」
意気込んだ2人…
机の上には、買い物のカード払いの請求の明細やその他の明細がそのままに置かれている…。。その書類に混じって…
「あった! マンションの契約書っ! 瑞希ちゃん、コレじゃない?
て、保証人が…さっき言ってた婚約者の人のかな?」
瑠樺の声に、瑞希は、瑠樺が手にしている書類を覗き込む…。。マンションの契約書には、男性の名前が記載されてあった。
契約した日は、3ヶ月前…のGW直前となっていた…
瑞希が、2人の現場を目の当たりにした直後だった…
2人は、その書類をスマホで撮り…。。その保証人の連絡先とマンションの住所をスマホに登録した…
「他に何かあれば…」
と、辺りを見渡した瑞希…。。無造作に置かれた鞄の中を探る…。。薬の説明書が書かれた書類と袋に入っている薬を見つけた…
「…マイスリーって…、睡眠薬?」
その、薬の説明書きに…悠がもし仮に、この薬を知らずに飲まされていたら…と、言う予感が浮かんだ…
瑞希は、その薬の錠剤を奪い、薬の説明書きをスマホで撮り終え…、他にも幾つか証拠になりそうなモノを撮ることにした…
その後、隠蔽隠し…に、悠の部屋を覗いた2人…
「ハハ。こっちは、綺麗好き…、さすがだな…」
と、悠の部屋を見渡しながら言った瑠樺…
几帳面な性格の悠が現れている…、本の陳列の仕方…1つを取っても…性格が滲み出ている…
「瑞希ちゃん、見て!」
瑠樺が悠の机の上にあったスケッチブックをめくり…、見つけた1枚…
電車の中…、ドアにもたれ掛かる瑞希…、綺麗に色付けされている…
「これって、相当…想われてるってことだよね?」
その、描かれている自分に指先を這わせる…。。日付は、初めて…会話を交わした日…、痴漢から助けられた日だった…
瑞希の胸元が熱くなり…、上手く呼吸が出来ない…。。いつの間にか、涙がこぼれ落ちていた…
「瑞希ちゃん…、成宮くん、取り返そう…! あんな人に負けてちゃダメ…! そうだよね?」
瑠樺の言葉に、瑞希は何度も頷き返した…