堕天の翼
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「生憎と…、娘も息子も…ここにはいません。お引き取り願えませんか?」
午後になり…、悠の両親に会いに行った瑞希…、悠の母親は、瑞希のことを覚えていたのか…少しやつれた印象を受けたが…笑顔を見せてくれた…
先日、迎えてくれた…20畳ほどの広間に通されていた…
奈都子と悠の父親の言葉に…、事件のことを公にしたくない…という印象を受けた…
恭一は、2人の前に…マンションの契約書と奈都子が通院していた病院の診断書を差し出す…。。それは、先日、瑞希たちが隠し撮りをしたモノではなく…正規の書類だった…
それを目にした奈都子の父親は、一瞬にして顔つきが変わった…
そして、瑞希から預かったボイスレコーダー…を、聞かせる…
その一部分を公開し、ボタンを止めた…
「偽物ではありません。弁護士の友人に頼み…お嬢さんのマンションの契約書と、病院の診断書…、あと…昨夜、病院に運ばれた漆原 琢磨くんの診断書…。どれも、ホンモノです」
その、ボイスレコーダーの音声をみみにした…奈都子の父親は、表情を一変させたて
「…な、何を言いたいんだ? ウチの娘が…、仮にも…弟の悠と…そんな…!」
動揺し、席を立とうとする…奈都子の父親…
その隣りにいた悠の母親・美津子は、わっと泣き出す…
その美津子の反応に、恭一は…
「お母さん、何か…ご存知なんですか?」
恭一の問いかけに…、美津子は肩先を震え出させていた…。。両手で顔を覆い隠し…泣き始め…、小さく頷き返した…
「…あの子たちが…、その…2人でいる所を…何度か…っ」
「お前…っ!」
美津子の告白に、奈都子の父親は、声を荒らげた…
「悠が…、その…奈都子さんに関係を求められているのは…知ってました。
知っていて…、私は、知らないフリを…っ!」
その、告白に…瑞希は、動揺が隠せなかった…
「…そんな…っ!」
《お母さんが、知っていた…だなんて…っ!
そう言えば…、
部屋を探していた時…、彼は、自分の母親は保証人にはムリだ…と、寂しそうに言っていた…》
「覗いて…しまったんです。
悠が高校生の頃に…、奈都子さんから脅迫めいたことを言われ…、関係を強要されていたこと…言われるままになっていたこと…
知っていて、私…自分の保身のために…。あの子を見捨てた…」
「何故、何故…、注意しないんだ…! こんなことになって…、私の会社は? 私の立場はっ?」
「私の言うことなんて、奈都子さんは聴いてくれませんっ!
最初から…っ! 【お義母さん】と、呼びながら…絶対に、打ち解けようとはしない…。心を開いてくれない…子を…
努力したのに…、一緒にお菓子を作ったり…、奈都子さんの好きそうなモノをプレゼントしたり…なのに…何も…っ!
それでも…、悠のことは可愛がってくれていたと思ったから…。。
私は、あの子を犠牲にした…!
あの子に、【この家で、生活する為に…いい子になって。お父さんやお姉さんに嫌われないように】って、言って聞かせて…それを…」
泣きながら…、そう訴える美津子…。。瑞希の瞳から涙が溢れ出した…
泣き出した瑞希の手を握りしめた恭一は…
「彼は、お母さんを困らせたくなくて…自分を殺して…生きてきたのかもしれません。
それが、決して…【いい子】だとは限らない。それは、【親の都合のいい子】という意味合いでしかありません。
昨夜、刺された漆原くんの殺傷は、男性の力ではなく…女性のチカラで…と、警察も特定したそうです。
娘さん…、奈都子さんが行ったこと…に間違いないかと…
これ、そのまま警察に持っていきますけど…いいですか?」
恭一は、テーブルの上に置いた書類の束をまとめ、腰を上げようとした…
「待ってくれ! これでは、娘が犯罪者に…っ」
そぅ、先ほどとは違い…狼狽えた声を発している奈都子の父親…。。恭一は、その父親を軽く睨みつけながら…
「娘さんだけではなく…、あなた達も罰せられるべきだと思います。子どもに必要以上の過剰な期待を押し付けてきた…
幸い、漆原くんは告訴をしない…と、言っています…良かったですね。
悠くんは、お姉さんと一緒にいます…。彼が何故、ここまで酷いことをする…お姉さんと一緒にいるのか、分かりませんが…
彼は、彼なりにお姉さんを救い出そうとしていると思います。
あなた達も、あの2人の親ならば…やる事があるんじゃないんですか?」
「生憎と…、娘も息子も…ここにはいません。お引き取り願えませんか?」
午後になり…、悠の両親に会いに行った瑞希…、悠の母親は、瑞希のことを覚えていたのか…少しやつれた印象を受けたが…笑顔を見せてくれた…
先日、迎えてくれた…20畳ほどの広間に通されていた…
奈都子と悠の父親の言葉に…、事件のことを公にしたくない…という印象を受けた…
恭一は、2人の前に…マンションの契約書と奈都子が通院していた病院の診断書を差し出す…。。それは、先日、瑞希たちが隠し撮りをしたモノではなく…正規の書類だった…
それを目にした奈都子の父親は、一瞬にして顔つきが変わった…
そして、瑞希から預かったボイスレコーダー…を、聞かせる…
その一部分を公開し、ボタンを止めた…
「偽物ではありません。弁護士の友人に頼み…お嬢さんのマンションの契約書と、病院の診断書…、あと…昨夜、病院に運ばれた漆原 琢磨くんの診断書…。どれも、ホンモノです」
その、ボイスレコーダーの音声をみみにした…奈都子の父親は、表情を一変させたて
「…な、何を言いたいんだ? ウチの娘が…、仮にも…弟の悠と…そんな…!」
動揺し、席を立とうとする…奈都子の父親…
その隣りにいた悠の母親・美津子は、わっと泣き出す…
その美津子の反応に、恭一は…
「お母さん、何か…ご存知なんですか?」
恭一の問いかけに…、美津子は肩先を震え出させていた…。。両手で顔を覆い隠し…泣き始め…、小さく頷き返した…
「…あの子たちが…、その…2人でいる所を…何度か…っ」
「お前…っ!」
美津子の告白に、奈都子の父親は、声を荒らげた…
「悠が…、その…奈都子さんに関係を求められているのは…知ってました。
知っていて…、私は、知らないフリを…っ!」
その、告白に…瑞希は、動揺が隠せなかった…
「…そんな…っ!」
《お母さんが、知っていた…だなんて…っ!
そう言えば…、
部屋を探していた時…、彼は、自分の母親は保証人にはムリだ…と、寂しそうに言っていた…》
「覗いて…しまったんです。
悠が高校生の頃に…、奈都子さんから脅迫めいたことを言われ…、関係を強要されていたこと…言われるままになっていたこと…
知っていて、私…自分の保身のために…。あの子を見捨てた…」
「何故、何故…、注意しないんだ…! こんなことになって…、私の会社は? 私の立場はっ?」
「私の言うことなんて、奈都子さんは聴いてくれませんっ!
最初から…っ! 【お義母さん】と、呼びながら…絶対に、打ち解けようとはしない…。心を開いてくれない…子を…
努力したのに…、一緒にお菓子を作ったり…、奈都子さんの好きそうなモノをプレゼントしたり…なのに…何も…っ!
それでも…、悠のことは可愛がってくれていたと思ったから…。。
私は、あの子を犠牲にした…!
あの子に、【この家で、生活する為に…いい子になって。お父さんやお姉さんに嫌われないように】って、言って聞かせて…それを…」
泣きながら…、そう訴える美津子…。。瑞希の瞳から涙が溢れ出した…
泣き出した瑞希の手を握りしめた恭一は…
「彼は、お母さんを困らせたくなくて…自分を殺して…生きてきたのかもしれません。
それが、決して…【いい子】だとは限らない。それは、【親の都合のいい子】という意味合いでしかありません。
昨夜、刺された漆原くんの殺傷は、男性の力ではなく…女性のチカラで…と、警察も特定したそうです。
娘さん…、奈都子さんが行ったこと…に間違いないかと…
これ、そのまま警察に持っていきますけど…いいですか?」
恭一は、テーブルの上に置いた書類の束をまとめ、腰を上げようとした…
「待ってくれ! これでは、娘が犯罪者に…っ」
そぅ、先ほどとは違い…狼狽えた声を発している奈都子の父親…。。恭一は、その父親を軽く睨みつけながら…
「娘さんだけではなく…、あなた達も罰せられるべきだと思います。子どもに必要以上の過剰な期待を押し付けてきた…
幸い、漆原くんは告訴をしない…と、言っています…良かったですね。
悠くんは、お姉さんと一緒にいます…。彼が何故、ここまで酷いことをする…お姉さんと一緒にいるのか、分かりませんが…
彼は、彼なりにお姉さんを救い出そうとしていると思います。
あなた達も、あの2人の親ならば…やる事があるんじゃないんですか?」