堕天の翼
「…っ悠…っ!」

奈都子は、その悠の背に自分の両手を回した…。。声を上げ…泣き始める…

悠は、そんな奈都子の髪を優しく撫で付けながら…

「……」
《こんなこと…、ただの時間稼ぎでしかならない…っ

いずれ…、警察がここにもやって来るだろう…

その前に、どうにか逃げられるのだろうか…?》

悠は、奈都子がカードなど父親にstopされてしまった為…、自分が高校生の頃から貯めていた預金とバイト代を引き出すほか…なかった…

が、そんな金額…、すぐに底を突くのは目に見えていた…。。逃亡し、そのあとの生活はどうするのか?

逃げた…ところで、なんの解決にもならない…

姉の奈都子は、働いたことがない…。。自分がどうにかしていくしか…ないと、思っていた…

が、いつ…姉の奈都子が以前のように戻るか…、自分をあそこまで追い詰めていた人間と、どうして一緒にいるのか…? 自分でさぇも、不思議だった。。


「…悠…。私とずっと居てくれる?」

そぅ、自分の胸元から聞こえた言葉…。。悠は少し身体を離し…奈都子に視線を向ける…

「一生、そばに…。
このまま、傍に。。私と、一緒に、死んでくれる…?」

「…姉さん…っ!」
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