堕天の翼
「ホント! 良かった。いい奴だから…
まぁ、成宮くんよりイケメンじゃないけどね?」
瑠樺は、鞄の中に入れていたスマホを取り出し…早速、その人物に連絡をしだしている…
「あ、午後から講義あるから…お昼に学食来るようにするって。いいよね?」
「…あ…、うん…」
力なく頷き返した瑞希…。。
もぅ、何を言葉にしても…彼女のペースは崩せそうにない…と、半ば諦めた…
まあ、ただ会うだけだ…その相手と付き合うワケではない…。。悠のように、【友達】として付き合えばいいこと…と…思い直した。
が、上機嫌になった瑠樺は、瑞希のそんな変化にも気づかない…
悠が電車での時間を合わせ…、大学の最寄りの駅までの数10分…、同じ空間を共有するようになり…
瑞希は、確実に…悠に惹かれはじめていた…
読んでいた本も同じ…、好きな映画も…、食べ物の好みやよく聴く音楽も…、ほぼ同じだった…
ここまで…、好みが一致する人間は、同性以外には今まで会ったことはなかった…
好きになりかけている…のなら、まだいい…
いつの間にか…、彼と共有する時間は、瑞希にとって大切な時間となっていたから…
悠のことを、他の誰も知らない部分を…知りたい…と、思い始めているのは、事実…だった…
が、それを瑠樺にひた隠しにするのは…、彼女が彼のことを好きなのだろうと…気づいてしまったから…
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
午前の講義が終わり…、瑠樺と瑞希は、瑠樺の友達だと言う男子学生と待ち合わせをしていた学食に向かった…
「あ! 早っ! もう、来てる…。
雅人っ!」
学食に着くなり…、窓際の席に着いていた青年の元に足早に向かう瑠樺…、瑞希も慌てて後を追う…
その瑠樺の声に、スマホを見ていた青年は、顔を上げ…瑠樺の声がした方を振り返る…
「お待たせ…! 鷺森 瑞希ちゃんです!」
と、瑞希の腕を引き…、その青年に紹介し始めた瑠樺…
目の前にいる…見るからに爽やかそうな青年は、瑞希に笑顔を向ける…
さっと、腰を上げ…口角を上げ…ニッコリと笑いかける…
好感が持てるような笑顔だ…
確かに、瑠樺の言っていた通り…端正な顔立ちをしている悠とは違い…スポーツマンタイプな好青年という感じだ…
瑞希に、右手を差し出した…その青年は…
「鷺森さん、佐伯 雅人(さえき まさと)です。よろしく
学部、違うから…初めてだよね?」
「さ、鷺森です。よろしく…」
《なんか…、いい人そぅ…》
圧倒されつつ…その手を握り返した瑞希…
大きな手…、ゴツゴツとした…手の感触。。何か、スポーツをやっていたことが伺える…
細く繊細な指先をしていた悠とはまるで違う…
そのテーブルの席に、腰を下ろした3人…
「良かったー! 瑠樺から、鷺森さんは成宮のことが好きかも?って聞いてたから、ムリだと思ってたから…」
と、ニコニコと笑顔を向けながら、そう言ってのけた雅人…
「ちょっと! それ、言うかな?」
そぅ、瑠樺はすぐさま静止させる…
「…え…っ?」
《なんで…、瑠樺は、そういうことまで、この人に話すのかな?
自分も、成宮くんここと、好きなのに…
て、佐伯さんも、成宮くんのこと、知ってるのか?
当たり前…と、言えば…当たり前か…っ
瑠樺ちゃんと成宮くんは、高校から一緒だもの。
佐伯さんも一緒だったのは、予想がつくはずだったのに…》
「でも、良かった…」
と、満面の笑みを浮かべる雅人…
悠に惹かれている…ということを、雅人にも瑠樺にも…気づかれるワケにはいかない…
きっと…、生活にも慣れ…、恋人でも出来れば…悠への想いも消え失せるだろう…と…
「……」
《今のまま…
これ以上、彼のことを考えないようにしないと…
今はまだ…、少し…いいな…って、思ったくらいで…
それだけで…、留めておかないと…》
その3人に、近づいてきた人物…
瑞希の視界に入った…黒いスラックスには見覚えがあり…、瑞希はその視線をそのまま上に向ける…
一瞬…、心臓が止まったのかと思うような衝撃…
瑞希は、一瞬、両目を見開いたまま…言葉を失っていた…
瑞希と同じように…、その人物に気がついた瑠樺と雅人…
「あ、成宮くん! 久しぶり」
と、悠に笑顔で挨拶する瑠樺…
「雅人が瑠樺に女の子、紹介して貰うってLINE来たから来てみたら…鷺森さんのことなのか…」
そぅ、頭の上から聴こえた…冷ややかなその声に…瑞希は、胸元がズキン…とした…
こんな場面…、見られたくなかった…
悠は、雅人の隣に腰を下ろし…手に持っていたアイスコーヒーを口にする…
「可愛いよな~、鷺森さん!」
と、終始機嫌がいい雅人…
その雅人の言葉に、悠は微かな笑みを浮かべながら…
「…そうだね。」
そう、言いながら…瑞希の方に視線を向けた…
その言葉…、その瞳に…。。瑞希の胸元がドキドキと心拍数が上がった…
まぁ、成宮くんよりイケメンじゃないけどね?」
瑠樺は、鞄の中に入れていたスマホを取り出し…早速、その人物に連絡をしだしている…
「あ、午後から講義あるから…お昼に学食来るようにするって。いいよね?」
「…あ…、うん…」
力なく頷き返した瑞希…。。
もぅ、何を言葉にしても…彼女のペースは崩せそうにない…と、半ば諦めた…
まあ、ただ会うだけだ…その相手と付き合うワケではない…。。悠のように、【友達】として付き合えばいいこと…と…思い直した。
が、上機嫌になった瑠樺は、瑞希のそんな変化にも気づかない…
悠が電車での時間を合わせ…、大学の最寄りの駅までの数10分…、同じ空間を共有するようになり…
瑞希は、確実に…悠に惹かれはじめていた…
読んでいた本も同じ…、好きな映画も…、食べ物の好みやよく聴く音楽も…、ほぼ同じだった…
ここまで…、好みが一致する人間は、同性以外には今まで会ったことはなかった…
好きになりかけている…のなら、まだいい…
いつの間にか…、彼と共有する時間は、瑞希にとって大切な時間となっていたから…
悠のことを、他の誰も知らない部分を…知りたい…と、思い始めているのは、事実…だった…
が、それを瑠樺にひた隠しにするのは…、彼女が彼のことを好きなのだろうと…気づいてしまったから…
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
午前の講義が終わり…、瑠樺と瑞希は、瑠樺の友達だと言う男子学生と待ち合わせをしていた学食に向かった…
「あ! 早っ! もう、来てる…。
雅人っ!」
学食に着くなり…、窓際の席に着いていた青年の元に足早に向かう瑠樺…、瑞希も慌てて後を追う…
その瑠樺の声に、スマホを見ていた青年は、顔を上げ…瑠樺の声がした方を振り返る…
「お待たせ…! 鷺森 瑞希ちゃんです!」
と、瑞希の腕を引き…、その青年に紹介し始めた瑠樺…
目の前にいる…見るからに爽やかそうな青年は、瑞希に笑顔を向ける…
さっと、腰を上げ…口角を上げ…ニッコリと笑いかける…
好感が持てるような笑顔だ…
確かに、瑠樺の言っていた通り…端正な顔立ちをしている悠とは違い…スポーツマンタイプな好青年という感じだ…
瑞希に、右手を差し出した…その青年は…
「鷺森さん、佐伯 雅人(さえき まさと)です。よろしく
学部、違うから…初めてだよね?」
「さ、鷺森です。よろしく…」
《なんか…、いい人そぅ…》
圧倒されつつ…その手を握り返した瑞希…
大きな手…、ゴツゴツとした…手の感触。。何か、スポーツをやっていたことが伺える…
細く繊細な指先をしていた悠とはまるで違う…
そのテーブルの席に、腰を下ろした3人…
「良かったー! 瑠樺から、鷺森さんは成宮のことが好きかも?って聞いてたから、ムリだと思ってたから…」
と、ニコニコと笑顔を向けながら、そう言ってのけた雅人…
「ちょっと! それ、言うかな?」
そぅ、瑠樺はすぐさま静止させる…
「…え…っ?」
《なんで…、瑠樺は、そういうことまで、この人に話すのかな?
自分も、成宮くんここと、好きなのに…
て、佐伯さんも、成宮くんのこと、知ってるのか?
当たり前…と、言えば…当たり前か…っ
瑠樺ちゃんと成宮くんは、高校から一緒だもの。
佐伯さんも一緒だったのは、予想がつくはずだったのに…》
「でも、良かった…」
と、満面の笑みを浮かべる雅人…
悠に惹かれている…ということを、雅人にも瑠樺にも…気づかれるワケにはいかない…
きっと…、生活にも慣れ…、恋人でも出来れば…悠への想いも消え失せるだろう…と…
「……」
《今のまま…
これ以上、彼のことを考えないようにしないと…
今はまだ…、少し…いいな…って、思ったくらいで…
それだけで…、留めておかないと…》
その3人に、近づいてきた人物…
瑞希の視界に入った…黒いスラックスには見覚えがあり…、瑞希はその視線をそのまま上に向ける…
一瞬…、心臓が止まったのかと思うような衝撃…
瑞希は、一瞬、両目を見開いたまま…言葉を失っていた…
瑞希と同じように…、その人物に気がついた瑠樺と雅人…
「あ、成宮くん! 久しぶり」
と、悠に笑顔で挨拶する瑠樺…
「雅人が瑠樺に女の子、紹介して貰うってLINE来たから来てみたら…鷺森さんのことなのか…」
そぅ、頭の上から聴こえた…冷ややかなその声に…瑞希は、胸元がズキン…とした…
こんな場面…、見られたくなかった…
悠は、雅人の隣に腰を下ろし…手に持っていたアイスコーヒーを口にする…
「可愛いよな~、鷺森さん!」
と、終始機嫌がいい雅人…
その雅人の言葉に、悠は微かな笑みを浮かべながら…
「…そうだね。」
そう、言いながら…瑞希の方に視線を向けた…
その言葉…、その瞳に…。。瑞希の胸元がドキドキと心拍数が上がった…