~ジラソーレ・ひまわり~(礼文島から愛を込めて)
颯太は、繊細な心を持っている。

傷付き、人の温かさに触れたからこそ、あんな良い写真が撮れるんだ。

たくさんの写真…。
青く美しい海、
明かりの幻想的な街の夜景、
何気ない道端の雑草、

日常にある生活の写真は、どれも颯太の人となりが、現われている気がした。

そして夏海は、何か忘れ物をしたような、妙に切ない気持ちに気付いた。

私は毎日の生活に追われて、感動する事もなく、
心は錆びついていた。

せめて颯太と話している時は、
真直ぐな自分でいたい。

颯太に出会えて良かった、夏海は心からそう思った。





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