~ジラソーレ・ひまわり~(礼文島から愛を込めて)
颯太が発って、一週間ほど過ぎていた。
颯太、頑張ってるかな…。
庭の向日葵は、ふくらんだ蕾が少しづつ色をもち、今にも開きそうに頭をもたげていた。
康介も子供達も、いつものように出かけて行った。
シンと静まり返った部屋は、妙に寂しさが漂っている。夏海は、それを振り払うように、掃除機を掛け始めた。
電話が鳴っていたのに気が付いたのは、少ししてからだった。
慌てて受話器を取った。
「もしもし、栗林さんですか?スタービールのものです」
「はい、栗林です。いつも主人がお世話になっております…」
「あのですね、御主人が仕事の移動中に、交通事故にあって、救急車で玉山市の大学病院へ。早く行かれて下さい」
「えっ!そんな…はい…わかりました」
夏海は、返事もろくに出来ないまま、電話を切った。
車を走らせ、病院へ向かった。
病院へ着くと、会社の部下が、夏海を待っていた。
医師の話では、暫く入院すると言う事だった。
夏海は病室へ入ると康介の顔を見た。酸素マスクと点滴の管が痛々しい。すぐに子供達も呼ばれた。
家族が揃い、改めて医師が話を始めた。
「栗林さん、残念ですが御主人は、脊髄を損傷しています。治ったとしても、車椅子になるでしょう」
夏海は言葉を失った。聡と匠の二人もだ。その後の説明は聞いてはいたが、これから長い入院生活が始まる事だけしか理解できなかった。
家に戻ると、暫くはぼーっとしていた。これからどうなるのか…不安な気持ちでいっぱいだった。
聡と匠が、心配そうに夏海の顔を見た。
「母さん、大丈夫だよ。僕達がついてる。」
聡が言った。
「そうさ、僕達はできるだけの事はするよ。」
匠も続けて言った。
「ありがとう。これからは、病院に行くほうが長くなるから。色々、大変だけどみんなで力を合わせて頑張らないとね」
そう言うと、二人を見た。
大きく頼もしく感じて、涙が出てしまいそうだった。
颯太、頑張ってるかな…。
庭の向日葵は、ふくらんだ蕾が少しづつ色をもち、今にも開きそうに頭をもたげていた。
康介も子供達も、いつものように出かけて行った。
シンと静まり返った部屋は、妙に寂しさが漂っている。夏海は、それを振り払うように、掃除機を掛け始めた。
電話が鳴っていたのに気が付いたのは、少ししてからだった。
慌てて受話器を取った。
「もしもし、栗林さんですか?スタービールのものです」
「はい、栗林です。いつも主人がお世話になっております…」
「あのですね、御主人が仕事の移動中に、交通事故にあって、救急車で玉山市の大学病院へ。早く行かれて下さい」
「えっ!そんな…はい…わかりました」
夏海は、返事もろくに出来ないまま、電話を切った。
車を走らせ、病院へ向かった。
病院へ着くと、会社の部下が、夏海を待っていた。
医師の話では、暫く入院すると言う事だった。
夏海は病室へ入ると康介の顔を見た。酸素マスクと点滴の管が痛々しい。すぐに子供達も呼ばれた。
家族が揃い、改めて医師が話を始めた。
「栗林さん、残念ですが御主人は、脊髄を損傷しています。治ったとしても、車椅子になるでしょう」
夏海は言葉を失った。聡と匠の二人もだ。その後の説明は聞いてはいたが、これから長い入院生活が始まる事だけしか理解できなかった。
家に戻ると、暫くはぼーっとしていた。これからどうなるのか…不安な気持ちでいっぱいだった。
聡と匠が、心配そうに夏海の顔を見た。
「母さん、大丈夫だよ。僕達がついてる。」
聡が言った。
「そうさ、僕達はできるだけの事はするよ。」
匠も続けて言った。
「ありがとう。これからは、病院に行くほうが長くなるから。色々、大変だけどみんなで力を合わせて頑張らないとね」
そう言うと、二人を見た。
大きく頼もしく感じて、涙が出てしまいそうだった。