~ジラソーレ・ひまわり~(礼文島から愛を込めて)
夏海は、翌日から車で病院へ通った。康介は少しずつ快方に向かっていった。


《夏海、元気かい?僕は、働くのも慣れてきたよ。あと半月、頑張るよ。尾花沢は、良い所だよ。仕事のない日はのんびりしたり、写真を撮ったりしてる。夏海は何してる?》


《颯太…元気そうで安心した。私は、ちょっと大変だったの。主人が交通事故で入院しているの…》


《え!それは大変だ。大丈夫かい?》


《ええ、今、玉山市の大学病院へ入院しているの。もう歩くことは出来ないかもしれないの》

《そうか、大変だけど頑張るんだよ。僕は今、励ましてあげる事しか出来ないけど、何か辛い事があったら、話してほしいな》


《ありがとう、颯太》


夏海は、何故かほっとして、涙が溢れてきた。康介や子供達の前では、気丈に振る舞っていたが、颯太とのLINEではつい弱気になってしまう。もっと楽しい話しなくちゃ。

《あのね颯太、スイカはたくさん採れた?》


《うん、たくさん採れるよ。毎日、朝食前の早朝から、スイカを収穫するからね、休憩中にスイカを食べるんだ。夜のうちに冷えたスイカは、とてもおいしいんだ。僕は調子にのってたくさん食べたら、お腹が冷えてお腹壊しちゃったんだ。笑》


《まあ、颯太は食いしん坊だね。笑》


《おかしかった?少し気持ちがほぐれたかい?》

《うん、ありがとう》


夏海は、颯太の優しさが嬉しかった。




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