~ジラソーレ・ひまわり~(礼文島から愛を込めて)
(出会い)
夏海は、朝から忙しかった。康介の会社へ挨拶に行った。
そして、もう働けない事を説明し退職した。
何もかもがいっぺんに夏海の肩にのしかかって、正直、息子達がいなかったら、どうしていたかわからなかった。
退職金は、少しでも残しておかなくちゃ…。
夏海は生活費だけでもと思い働き口を探したが、40過ぎて働ける場所は、そうはなかった。
「母さん、どうしたの?ため息ついて」
匠が帰って来た。
「匠、母さん、少しでも働こうと思って。当面の生活は大丈夫だけど、ローンも残っているし。でも、この歳で働ける場所は、なかなかないのよ」
「そうか、僕達もバイトするし、最悪なら大学やめて働いても良いよ」
「何言ってるの、学校はちゃんと、卒業するのよ。父さんとの約束でしょ、そのくらいは‥」
「わかったよ、母さん。今日は僕達バイト代出たし、この間のイタリアンの店いかない?これからは、あまり行かれなくなるし」
聡と匠は、渋る夏海を連れて行った。
久し振りに、皆でゆっくり食事をした。
「母さん、やっぱりあの時、父さんを連れてくれば良かったね…」
聡がぽつりと言った。
「なんだよ、いきなり言うなよ!」
匠が強い口調で言った。
「二人共、やめて…。今日は、新たな生活に向けての、始まりの日よ。みんなで力を合わせて、頑張るのよ」
「うん、母さん、そうだね…ごめんなさい。僕達も、母さんを支えていくからね。父さんだって、退院したら連れてこれるし」
夏海は、涙が出そうになった。
でも今、泣いている訳にはいかない。
店を出ようとすると、颯太の向日葵の写真が目に入った。
颯太…。
すると、隣りに張り紙があった。
『求む、求人。年齢不問。応相談。店主』
求人案内だわ…。
そして、もう働けない事を説明し退職した。
何もかもがいっぺんに夏海の肩にのしかかって、正直、息子達がいなかったら、どうしていたかわからなかった。
退職金は、少しでも残しておかなくちゃ…。
夏海は生活費だけでもと思い働き口を探したが、40過ぎて働ける場所は、そうはなかった。
「母さん、どうしたの?ため息ついて」
匠が帰って来た。
「匠、母さん、少しでも働こうと思って。当面の生活は大丈夫だけど、ローンも残っているし。でも、この歳で働ける場所は、なかなかないのよ」
「そうか、僕達もバイトするし、最悪なら大学やめて働いても良いよ」
「何言ってるの、学校はちゃんと、卒業するのよ。父さんとの約束でしょ、そのくらいは‥」
「わかったよ、母さん。今日は僕達バイト代出たし、この間のイタリアンの店いかない?これからは、あまり行かれなくなるし」
聡と匠は、渋る夏海を連れて行った。
久し振りに、皆でゆっくり食事をした。
「母さん、やっぱりあの時、父さんを連れてくれば良かったね…」
聡がぽつりと言った。
「なんだよ、いきなり言うなよ!」
匠が強い口調で言った。
「二人共、やめて…。今日は、新たな生活に向けての、始まりの日よ。みんなで力を合わせて、頑張るのよ」
「うん、母さん、そうだね…ごめんなさい。僕達も、母さんを支えていくからね。父さんだって、退院したら連れてこれるし」
夏海は、涙が出そうになった。
でも今、泣いている訳にはいかない。
店を出ようとすると、颯太の向日葵の写真が目に入った。
颯太…。
すると、隣りに張り紙があった。
『求む、求人。年齢不問。応相談。店主』
求人案内だわ…。