~ジラソーレ・ひまわり~(礼文島から愛を込めて)
(ふたたび)
颯太は、スキー場の仕事に行った。もう、暫く会えないと思うと、寂しさが募った。
夏海は、いつものように働いていた。
聡は、大学とバイトに明け暮れて、
匠は、美緒と真優の三人で仲良く暮らしていた。
何の波風も立たない静かな時が、流れる筈だった。
夏海はいつものように、ジラソーレのドアを開けた。
「おはようございます。マスター。」
「おはよう、栗林さん、ちょっと話があるから。」
そう言って、マスターは座った。
「じつは、この店今月いっぱいで閉める事になって…。私も、業者に支払いして生活するだけで、いっぱいでね…栗林さんの給料だすのもきつくなって。御主人が亡くなってすぐで、ほんと申し訳ないんだけど。今月いっぱいと言う事で…。」
マスターは、苦しそうに下を向いていた。夏海は、暫く黙っていたが、意を決して言った。
「マスター、わかりました。今まで、色々お世話になって、私みたいな者雇って頂いて、感謝してます。」
「栗林さん、ほんと済まない。」
マスターは、又、深々とお辞儀すると、今月いっぱいはまだ、大丈夫だからね。早く次の仕事探して。と言って、厨房へ入った。
夏海は、残りの日々を、精一杯働き、ジラソーレを辞めた。
次の仕事はまだ決らない。もう、師走の風が迫ってくる季節を、迎えていた。
夏海は、颯太にメールした。
《颯ちゃん、私、先月でジラソーレ辞めたの。お店も閉めたのよ。》
颯太は、驚いて返事をよこした。
《本当かい?夏海はどうするの?大丈夫かい?》
《ええ、暫くは貯金もあるし、なんとか…。でも、いつまでもこうしてはいられないし。》
《そうか…、いつも僕がいない時に、困った事が起こって、僕は話を聞くしかできないのが歯痒いよ。》
《ありがとう、颯ちゃん、その気持ちだけで充分だよ。》
《夏海、会いたいよ。今すぐにでも戻って…。》
《颯ちゃん、私は大丈夫よ。だから、お仕事頑張ってね。》
夏海は、ケータイの電源を切ると、ケータイを閉じた。
その日から、颯太との連絡を断った。
夏海は、いつものように働いていた。
聡は、大学とバイトに明け暮れて、
匠は、美緒と真優の三人で仲良く暮らしていた。
何の波風も立たない静かな時が、流れる筈だった。
夏海はいつものように、ジラソーレのドアを開けた。
「おはようございます。マスター。」
「おはよう、栗林さん、ちょっと話があるから。」
そう言って、マスターは座った。
「じつは、この店今月いっぱいで閉める事になって…。私も、業者に支払いして生活するだけで、いっぱいでね…栗林さんの給料だすのもきつくなって。御主人が亡くなってすぐで、ほんと申し訳ないんだけど。今月いっぱいと言う事で…。」
マスターは、苦しそうに下を向いていた。夏海は、暫く黙っていたが、意を決して言った。
「マスター、わかりました。今まで、色々お世話になって、私みたいな者雇って頂いて、感謝してます。」
「栗林さん、ほんと済まない。」
マスターは、又、深々とお辞儀すると、今月いっぱいはまだ、大丈夫だからね。早く次の仕事探して。と言って、厨房へ入った。
夏海は、残りの日々を、精一杯働き、ジラソーレを辞めた。
次の仕事はまだ決らない。もう、師走の風が迫ってくる季節を、迎えていた。
夏海は、颯太にメールした。
《颯ちゃん、私、先月でジラソーレ辞めたの。お店も閉めたのよ。》
颯太は、驚いて返事をよこした。
《本当かい?夏海はどうするの?大丈夫かい?》
《ええ、暫くは貯金もあるし、なんとか…。でも、いつまでもこうしてはいられないし。》
《そうか…、いつも僕がいない時に、困った事が起こって、僕は話を聞くしかできないのが歯痒いよ。》
《ありがとう、颯ちゃん、その気持ちだけで充分だよ。》
《夏海、会いたいよ。今すぐにでも戻って…。》
《颯ちゃん、私は大丈夫よ。だから、お仕事頑張ってね。》
夏海は、ケータイの電源を切ると、ケータイを閉じた。
その日から、颯太との連絡を断った。