~ジラソーレ・ひまわり~(礼文島から愛を込めて)
夏海は、目を疑った。もう一度メールを見た。
《夏海…、父さんが亡くなった。僕は山を降りる。》
どうしよう、颯ちゃん…。
颯太は、山を降り玉山市の自宅へ戻っている。
夏海は、心の糸が切れたみたいな気持ちになって、ただ、ただ、颯太に会いたかった。
でも、自分から連絡を断ってしまった夏海は、今更どう颯太に連絡していいか、わからなかった。
年明けから、夏海は働いていた。悩みながら、コンビニで働く日々が続いたある日、夕方過ぎのお客が一段落した時、一人の男が入ってきた。
颯太だった。
「夏海…。」
「颯ちゃん…。」
「夏海、話があるんだ。」
「わかったわ、颯ちゃん。もう仕事終わるから。」
颯太は、夏海が出てくるのを待っていた。颯太の顔は少しやつれて見えた。
「颯ちゃん。」
「夏海、会いたかった。少し話がしたい。」
二人は、ゆっくりと歩きだした。
「夏海、僕は何度も連絡したんだ。電波の届く場所まで、移動して。連絡を待っていたのに…。夏海はどうしたの?何があったの? そうしているうちに、父さんが…とうとう…亡くなってしまったんだ。バタバタしているうちに、年が変わってしまった。夏海はもう、僕のこと忘れてしまったの?」
「颯ちゃん…、そうじゃないの。そうじゃない…。」
後は涙で、声にならなかった。颯太は、夏海を強く抱き締めた。
「颯ちゃん…ごめんね、私、颯ちゃんに心配ばかりかけるから、ケータイの電源切っていたの…。お父さんが、亡くなったの知ったのは、暫く後だったの。」
「夏海…僕は迷惑なんかじゃないよ。夏海がいないと僕は、抜け殻のよう…。」
そこまで言うと颯太は、夏海と唇を重ねた。
「颯ちゃん、もう離れているのはいや。」
「夏海…僕が悪かったんだ。落ち着いて、玉山で仕事してれば、こんな事には。夏海にも、辛い思いをさせて。」
「颯ちゃん、今、家にいるの?」
「ああ、母さん一人になってしまったからね。僕がいないと。」
颯太は、そう言うと、遠くを見つめて、何か考えているように見えた。
夏海は、颯太の腕の温もりを、確かめるように握りしめた。
《夏海…、父さんが亡くなった。僕は山を降りる。》
どうしよう、颯ちゃん…。
颯太は、山を降り玉山市の自宅へ戻っている。
夏海は、心の糸が切れたみたいな気持ちになって、ただ、ただ、颯太に会いたかった。
でも、自分から連絡を断ってしまった夏海は、今更どう颯太に連絡していいか、わからなかった。
年明けから、夏海は働いていた。悩みながら、コンビニで働く日々が続いたある日、夕方過ぎのお客が一段落した時、一人の男が入ってきた。
颯太だった。
「夏海…。」
「颯ちゃん…。」
「夏海、話があるんだ。」
「わかったわ、颯ちゃん。もう仕事終わるから。」
颯太は、夏海が出てくるのを待っていた。颯太の顔は少しやつれて見えた。
「颯ちゃん。」
「夏海、会いたかった。少し話がしたい。」
二人は、ゆっくりと歩きだした。
「夏海、僕は何度も連絡したんだ。電波の届く場所まで、移動して。連絡を待っていたのに…。夏海はどうしたの?何があったの? そうしているうちに、父さんが…とうとう…亡くなってしまったんだ。バタバタしているうちに、年が変わってしまった。夏海はもう、僕のこと忘れてしまったの?」
「颯ちゃん…、そうじゃないの。そうじゃない…。」
後は涙で、声にならなかった。颯太は、夏海を強く抱き締めた。
「颯ちゃん…ごめんね、私、颯ちゃんに心配ばかりかけるから、ケータイの電源切っていたの…。お父さんが、亡くなったの知ったのは、暫く後だったの。」
「夏海…僕は迷惑なんかじゃないよ。夏海がいないと僕は、抜け殻のよう…。」
そこまで言うと颯太は、夏海と唇を重ねた。
「颯ちゃん、もう離れているのはいや。」
「夏海…僕が悪かったんだ。落ち着いて、玉山で仕事してれば、こんな事には。夏海にも、辛い思いをさせて。」
「颯ちゃん、今、家にいるの?」
「ああ、母さん一人になってしまったからね。僕がいないと。」
颯太は、そう言うと、遠くを見つめて、何か考えているように見えた。
夏海は、颯太の腕の温もりを、確かめるように握りしめた。