Last note〜特性を持つ者へ
一方、美作あきらの車では…。

助手席に柊木日芽が乗っていた。

「貴方、一度私を襲いに来たわよね?
憂莉は無事なの?!」

「あぁ、無事だ。会わせてやるから安心しな。」

怪しい笑顔の横顔に、柊木日芽は鳥肌が立った。
そして窓の外を眺め、この作戦が成功するようにと密かに願った…。

車は高速道路を走り続け、やがて一般車道に降りた。かれこれ、2時間は走っていた。

その数キロ後ろを、青山と難波さんは追っていた…。

再び無線が入る。

[こちら烏丸。1キロ先に倉庫が見える。
追跡班は500メートル先のパチンコ屋に駐車して下さい]

「了解。難波チームはもう着く。」

烏丸の指示で、俺達はパチンコ屋に駐車した。
そこから倉庫へと静かに向かった。

ーーーーーー

「着いたぞ、車を降りろ。」

倉庫のすぐ外に駐車した美作あきらは、
柊木日芽を乱暴に引きずり出した。

「日芽を手荒に扱うな!約束だろ!?」

拘束された柊木憂莉が、叫び倉庫内に声が響いた。

「ご機嫌斜めだな、妹は。」

日芽が憂莉を見つけて、駆け寄り抱きしめた。

「憂莉!無事だったのね!良かった!」

「日芽!!こんな事になって…ごめん。」

その時、日芽は憂莉に小声で何かを告げた。

それと同時に、美作あきらが2人の前で、
本性を現し始めた。

柊木日芽の視界には憂莉がもたれていた壁。
そこに美作あきらの影から、何かがウネウネと現れたのが映し出されていく。

憂莉の視界からは、それが見えている。

「やっと姿現したな、"Poison"。
あたしが相手してやるよ!!!」

美作あきらは、身体からうねり出た棘だらけの巨大なトカゲの尻尾のようなモノを振り上げて、
憂莉に攻撃を仕掛けた!
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