Last note〜特性を持つ者へ
「柊木憂莉は明部に呼び出されて公園に行ったが、身の危険を感じて逃げたらしい。
青山くんが女の涙の匂いを感じたと言っていたのは、実は柊木日芽が事件後に公園に行ったからだ。」

「えっ!?日芽さんが第一発見者だったって事ですか?!」

比嘉特捜部長はこくりと頷き、続きを話す。

「憂莉さんの気配がして公園に行ったらあの惨事だ。最初、憂莉さんの犯行かと思ってしまったらしい。涙はその時のものみたいだ。」

初めて柊木日芽と会った時、
あんなに警戒していたのはやはり憂莉さんの事を庇いたかったのもあったんだ。

「憂莉さんの"影"としての処置は、
どうなるんですか?」

「あの処分の仕方はもはや古すぎる。
特性法律の改正を求めて交渉中だ。
いずれ結果は出るだろう。それまでは日芽さんと暮らせる。」

比嘉特捜部長からそれを聞いてほっとした。
やはりあの二人は一緒に居るべきだ。

「それはそうと青山くん、烏丸くんとはどうだ?
ワシが見る限り、仲が深まったようだが。」

「「いえ、全く。」」

烏丸とハモってしまった。
顔を見合わせた俺達は、すぐに逸らし合う。

そんな様子を見た比嘉特捜部長は何故か楽しげに笑った。
< 49 / 54 >

この作品をシェア

pagetop