俺のものになってよ



「だって、こんなに真剣に悩んでる芽依ってあんま見たこと無かったし…これも王子のおかげかな?」



口角を上げてそう言った。


そ、そうなのかな…


あたし、変わった?



でも、青木くんと出会ってから結構楽しかった気がする…



『俺の彼女ね』


あの出来事が、遠い昔のことのように感じて胸が苦しい。



「王子に何があるのかは知らないけどさ、本人にキッパリ聞くしかないじゃん?」


「…そう、だよね」



怖気付いてるようじゃ、何も変わらない。




あたし、これでも仮の彼女なんだよ?



ちょっとくらい、教えてくれたっていいじゃんか…



「あたし…ちょっと行ってくる!!」


「おー、ファイト〜!」



そんな美玖の声を聞きながら、教室を飛び出す。



向かう先は2-A。




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