俺のものになってよ
「告白、出来なかった…」
「え、どうして…?」
そんな美玖の問いに少しだけ目を伏せる。
昨日、ある女の人が青木くんのところに来たことを2人に話した。
もうカップルみたいで…あたしなんて場違いな気がして逃げてしまったこと。
あの女の人、一体誰なんだろう…
もしかして、青木くんの元カノ?それとも好きな人?
そんなことばかりうじうじ考えてしまう。
ダメだな、あたし。
「芽依…」
心配そうな美玖の声が聞こえる。
「…ったく、うじうじしてんじゃねーよ」
それとは対照的に、呆れたように俊が言う。
「ちょっと俊…」
「お前はそんなのらしくねーんだよ、んなこと考えてねぇでとっとと告ってこいよ」
はっきり言われて、たしかに俊の言う通りだと思う。
あたしだって、そうしたいよ…けど
「…なんか、怖くて」
ただ怖いんだ。
あの人との関係を聞くのが、怖い。
伝えてまた突き放されたらどうしようって。
ビビってるんだよ、あたしは。
ほんと、情けない…