俺のものになってよ
このままずっとうじうじしたって、何か変わるわけじゃない。
だったら、逃げてちゃダメだ…
ちゃんと、向き合おうって決めたんだから。
「ありがとう…俊」
まさか俊にこんな説教受ける日が来るなんて、思いもしなかったけど。
「美玖も、いつもありがとね」
「芽依…」
いつも見守ってあたしの背中を押してくれたのは、美玖だった。
だから、今度は美玖の背中を押せるようにあたし頑張るよ。
美玖にも、俊にその気持ちを伝えて欲しいから。
それは、あたしのわがままかもしれないけど。
だけどね、ほんとに感謝してる。
この二人には、助けられてばっかりで、
自分の気持ちにも気付かされて。
ありがとうじゃ、全然足りないくらい。
「あたし、やっぱりもう一回行ってくる」
「うん、今度こそビシッと言うのよ芽依!」
「ちゃんと言うまで、帰ってくんなよ」
「へへ…うん、ありがとう」
今度こそ、絶対。伝えてみせるよ。
あたしは、扉に向かって走り出した。