俺のものになってよ
「昨日の女の人って、誰?」
あたしの声が凛と響く。
ドキドキと心臓がうるさい。
その言葉に一瞬ピタッと動きを止めたけど、また淡々と片付けを始める。
「だから、関係ないって言ってんでしょ」
やっぱりその声は冷たくて、怯みそうになるけど彼を見つめる瞳はそらさないで真っ直ぐに見つめる。
「関係…あるよ。だってこれでも彼女だもん」
偽物かもしれないけど、今は青木くんの彼女なんだから。
フリでもなんでもいいの。
「知りたいんだよ…青木くんのことが」
ねぇ、教えて。
どうして時々悲しそうな瞳をするの?
どうして自分を偽って、仮面を被るの?
本当のあなたを知りたいんだよ。