俺のものになってよ
ちらりとこっちを見た青木くんは、はぁとため息をつく。
「なんでそんなに知りたいわけ?てか、別に本当の彼女でもないでしょ」
嘲笑うようにそう言われ、胸が痛む。
けど、絶対に折れてやらない。
「そうだよ、あたしは別に彼女でもないでもない。ただあたしが勝手に青木くんのことが
…好きなだけだもんっ!!」
そう叫ぶように言うと、またシーンとなる保健室。
驚いたように目を見開いて、彼はあたしを見た。
い、言ってしまった…
でも、これがあたしの気持ち。
自分の気持ちを伝えた途端、今まで溜め込んでいたものが一気に溢れ出す。
「…大体、巻き込んだのは青木くんの方じゃんっ!急に彼女とか言い出して…っ、最初は迷惑だったはずなのに優しくされてドキドキして、なのに急に突き放したりっ、全然意味わかんない!!ふざけんな青木くんのくそバカやろー…っ!!」
一気にまくしたててそう言った。
はぁはぁ、と息が切れる。
青木くんはぽかんとしてあたしを見つめるけど、今はもう気にしてられない。
全部全部、青木くんのせいだ。
「ねぇ、教えてよ…」
でも好きだから、やっぱり知りたいんだよ。
偽りのあなたじゃなくて、その仮面の下を。
本当の青木くんを教えてよ。