俺のものになってよ
そして今度は、はぁ〜と観念したようなため息をつく。
「もう、ほんとしつこいよ…あんたって。でも、俺の事が知りたいんだろ?」
真剣な、でもどこか寂しそうな瞳であたしを見つめた。
また、この瞳。
その理由を、知りたい。
「うん、知りたい…青木くんのこと」
もっと、全部、知りたい。
そうはっきりと言えば、ふっと少しだけ彼が微笑む。
その表情は、やっぱりどこか切ない。
「じゃあ、教えてあげるよ。俺が本当の自分を隠して、完璧なフリなんかしてる理由も。昨日のあいつとの関係も…────」
どこか遠くを見つめて、そう口を開いた。
窓から差し込む光が、あたし達を包み込む。
シンとしたあたりに、寂しげな青木くんの声だけが響いて
あたしの心をひどく揺らした。