俺のものになってよ



知らない女から急に呼び出され、告白される。



そんなことが日常茶飯事になりつつあった頃、事件は起こった。



いつもの様に愛想よく紳士的に告白を断ったつもりだったが、どうやらそれが通じる相手ではなかったらしい。



よほど自分に自信があったのか、俺の返事に納得がいかない様子だった。



しまいには急に飛びかかり、縋り付くように服を掴まれる。



面倒くさ…こういう女がいちばん無理。



どうにも諦める気配がなさそうなこの女に思わず〝彼女がいる〟と嘘をついてしまった。



ここに連れてこいと言われ、さすがに嘘だとバレる…




そう思った時、ふと視線を感じて目をそちらへ向けると────ばちりと思いっきり目が合う。



…女?



覗き見かよ、趣味悪…




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