俺のものになってよ
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カチッ、カチッ────
時計の秒針だけが、静かな部屋に響く。
あたしはじっと彼の話に耳を傾けていた。
どこか遠くを見つめて静かに言葉を紡ぐ横顔は、あまりにも寂しげで、胸がぎゅっと締め付けられる。
信じていた人に裏切られるなんて、そんなの辛くないはずがない。
青木くんが仮面を被っていた理由は、本当の自分を隠すため。
傷つくくらいなら、最初から信じなければいい。
そうやって殻に閉じこもって偽りの仮面で隠してきたんだね。