俺のものになってよ


───────────

────・・・・・




カチッ、カチッ────



時計の秒針だけが、静かな部屋に響く。




あたしはじっと彼の話に耳を傾けていた。



どこか遠くを見つめて静かに言葉を紡ぐ横顔は、あまりにも寂しげで、胸がぎゅっと締め付けられる。




信じていた人に裏切られるなんて、そんなの辛くないはずがない。



青木くんが仮面を被っていた理由は、本当の自分を隠すため。



傷つくくらいなら、最初から信じなければいい。




そうやって殻に閉じこもって偽りの仮面で隠してきたんだね。





< 172 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop