俺のものになってよ



「最後まで遊びで好きじゃなかった、なんて言ってたら多分あたしひっぱたいてましたよ」



「…ホント、湊の女の趣味悪いんじゃない?」



「それ、由梨さんにだけは言われたくないです」



「…うっさいわね」



はぁ、と一息ついたあと彼女は黒い髪を払ってあたしを見た。



「湊のことは、もうキッパリ諦める。前会った時にちゃんと謝れたから、もういいわよ」


「…」


「最後に、あたしは自分でも馬鹿なことしたって思ってる。後悔してる。だから……あんたは後悔しないようにね」


「…しません。青木くんのことは、あたしが絶対に幸せにします」



プロポーズか、なんて言って少し笑った彼女は最初に比べて随分とスッキリした顔をしていた。


彼女も、ずっと胸に仕えていたものがあったのかもしれない。


それが何で開放されたかは、あたしにはよく分からないけど…



まあいっか。



これで、一件落着かな…



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