俺のものになってよ
「今までずっと、謝りたかった。簡単に許して貰えるとは思わない…でも、ほんとにごめんなさい」
「…もう、いい」
「…え?」
「今ちゃんと聞けたし…だからもういい」
「…っ」
「それに…──────」
何かを言いかけた青木くんは、いきなりあたしの手を掴みそっと繋ぐ。
驚いて彼を見上げると、優しい笑みを向けられた。
そこから伝わる体温が、一気に心ごと温められる。
「俺、今すげー大事にしたいって思える人に出会えたから」
泣きそうになった。
まさかそんなふうに思ってくれてたなんて知らなくて、それを真っ直ぐに伝えてくれたことが何よりも嬉しかった。
あたし、やっぱり青木くんのことを好きになってよかった。