俺のものになってよ
交差する想い
事も一件落着。
もうすっかり日も沈み、あたしたちは帰り道を歩いていた。
ちゃんと二人が和解出来て良かった。
「藤井さん」
隣からふいにそんな声が聞こえて、あたしは彼を見上げる。
その瞳がやけに優しくて、あたしは少しだけ息を呑んだ。
「ん?何、青木くん」
そう聞き返すと、少しだけ目を伏せ左に流す。
「……俺ずっと許せなかった、アイツのこと…」
その時の記憶を思い出すように、言葉を紡いでいく。
信じていた人に裏切られる想いは、計り知れない。