俺のものになってよ
「これ以上は、色々とやばいから…」
そう言って少しだけ体を離してあたしと距離をとる。
ぼーっとする頭で青木くんを見つめると、彼の頬が少し色づいているのを見て胸がくすぐったくなった。
ほんとに、幸せだなぁ。
それから家に着くまで手を繋いで帰った。
ぎゅっと握れば、そこから優しい体温がつたわってくる。
「青木くん、送ってくれてありがとう」
「んーん、風邪ひかないようにね」
「うん、大丈…っくしゅ」
「あー、ったく、言ったそばから」
そう言ってあたしの頭を撫でたあと、包み込むように抱きしめられる。
暖かいなぁ。
彼の背中を見えなくなるまで見送ったあと、玄関の扉を開ける。
「ただいま〜」
明日になったらこれはあたしの都合のいい夢で終わってたりして。
なんて思うくらい甘くて幸せな時間を過ごした。