俺のものになってよ







「で、なんであんたはここにいたわけ?」


さっきよりもぐいっと顔を近づけられ、息を呑む。


ち、近っ!


「それは、ほんとにたまたまでっ!資料室に用が、」


「資料室…?」


「こ、これを片付けに来ようとしたら青木くんたちがいたから行くにも行けなくて…」


「へぇ、それで覗きね…」



いや違ぇし!いやまあ、不可抗力で聞いちゃったって言うかさ!!決して覗き見とかではなくて!


頭の中で必死に弁解していると





「まあいいや、あんた。今日から俺の彼女ね」





……………は?



え?何て?



突然訳の分からないことを言い出す王子。




何がまあよくて彼女になるんだ、意味がわからない。




「藤井さん、だっけ?」



「え?あ、はい」



「下の名前は?」



「芽依です」



「へぇ、…あんたが藤井芽依」



「へ?」



何かをぽつりと呟いたような気がしたけど、よく聞き取れなかった。





「なんでもない、じゃあ今日からよろしくね。藤井さん」






は?何がよろしくなの?



「えっと、何が?」






意味がわからなくてそう彼に訪ねると



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