俺のものになってよ





「藤井さんって、ばかなの?」



にっこりスマイル付きで爽やかに暴言を吐かれた。


ば、ばか?



「さっき言ったよね?今日から俺の彼女だって」







いや、言ったけども!


あたしは何も言ってないよ?


てかなんで彼女なんて…



そんなあたしの気持ちを読み取ったのか、呆れた顔で口を開く王子様。



「はぁ…さっき告白断った時に付き合ってるって言っちゃったでしょ?多分もう明日には、噂になって広まっちゃってると思うから取り消せないと思うけど」




た、たしかに。青木くんに彼女が出来なんて知られたら、秒で広まる気がする…。



「それに、藤井さんと付き合ってるって周りに言えば俺もこうやって告白される機会も減るだろうし?」




な、何この人!人の事利用するとか…最低!




「言っとくけど、乗っちゃった以上あんたも共犯だから」




にやり、と驚くくらい整った顔立ちで意地悪く口角を上げて微笑む。



あ、悪魔だ…





「あ、それとこのことは誰にも言わないでね?」






そう言ってにこりと笑う悪魔こと王子様。







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