俺のものになってよ
「何やってるんですか」
男の腕を掴み、彼女を庇うように立ちながらそういったのは
「っ…湊?」
青木くんだった。
あたしが出るよりも前に、彼女たちの元へ駆けつけた。
「助けて、湊っ…」
そういった先輩は、青木くんに縋るように抱きつく。
あたしはただ、それを呆然と見つめるしかできない。
「はぁ?何だこの男。おい遥、お前まさか浮気してたのかよ」
「浮気してたのはそっちでしょ?」
「…チッ、好きにしろよ。このクソ女」
そう暴言を吐いた男性は、その場を立ち去った。
遥先輩は、少し涙ぐんだ目で青木くんを見つめる。
「ごめんね、湊。助けてくれてありがとう」
「いえ、大丈夫ですか?先輩」
青木くんは心配そうに遥先輩を見つめていた。