俺のものになってよ
安堵した先輩は、力が抜けて膝から崩れ落ちそうになった。
それを咄嗟に青木くんが支える。
「…一人で帰れそうですか?」
「うん、多分…」
分かってる。
さすがにあの状況は、私が同じ立場でも怖かったと思うし…
あたしが行くよりも青木くんがでた方が良かったってことも。
でも、
「湊、なんでここにいたの?」
「あぁ、実は今日藤井さんと来てて」
遥先輩があたしの方を見る。
その瞳が何故か痛くて、あたしは直視することが出来なかった。
遥先輩を助けることなんて当たり前なのに。
遥先輩だって怖かったはずなのに。
ヤキモチ妬いてる自分が、嫌だ。