俺のものになってよ
「俺も名前で呼びたかったし、呼んで欲しい」
「…」
「芽依も呼べよ、湊って」
「…っ」
頭がクラクラして、心臓も早くなる。
きっと、熱のせいだけじゃない。
「ほら、呼んで?」
この目の前の人のせいだ。
青木くんは少し意地悪く微笑む。
み、湊って呼ぶの?!そんなの恥ずかしすぎる。
でも、自分だけ呼んでもらって呼ばないって言うのも確かにアレだし…
「…み、」
「ん」
「み、みな…と」
「聞こえない」
「…っ」
あーもう、どうにでもなれ!
熱で息苦しいせいで、目が潤む。
少しだけ青木くんの顔がぼやけるけど、その瞳をしっかりと見上げた。
「み、湊」
「…っ」
う、わ…めっちゃ恥ずかしい!